検索市場は「ゲームオーバー」だという前提から話を始めよう。Googleは勝利した。Googleの優位性については、このRead/WriteWebへの投稿で十分に説明されている。Googleキラーがもし存在するとしても、それは次のような検索業界への新規参入者ではないだろう。
Freebaseが大きなブレイクスルーになる可能性はある。しかし、まだベータ版に過ぎず、判断は難しい。また、Freebaseは検索の定義を広げすぎているという問題も抱えている。あるいはそれがポイントなのかもしれない。つまり、「よりよい検索」ではなく「検索の次にくるもの」がGoogleキラーになるということだ。
検索が「ゲームオーバー」なら、新興企業が解決するべき新しい問題は何だろうか。「ポスト検索」の市場はどこだろうか。見るべき場所は、Google検索の「後で」何をするかだ。検索は普通、われわれが行っている調べ物の一部だ。検索(Search)は調べ物(Research)の一部に過ぎないのだ.
調べ物には、簡単なものからこみいったものまで、4つのレベルがある。
レベル1:簡単で個人的なもの。Google検索でも行えることだ。Firefoxの将来のバージョンやサードパーティの拡張機能には、より賢いタグベースのブックマークツールがある。この機能は、過去に行った検索を保存し、分析し、取り出す方法を改善する。
レベル2:小チームによる調査。現在このプロセスは完全にバラバラで、われわれはブックマークやWord、Excelへのカットアンドペースト、電子メールに頼っている。Del.icio.usはソーシャルブックマークで何ができるかを示してくれたが、秘密性が重要な場面ではオープンすぎて使えない。これまでのところ、最もよい例はMa.gnoliaだろう。この分野では課題がまだ山のように残っている。その課題を突破したツールは、レベル3や4にも適用できるだろう。
レベル3:エンタープライズ2.0ツール。ここでは、複数のチームやアウトソースされたチームが共通のワークフローで働く段階に踏み込んでいる。現在主流のエンタープライズ2.0ツールであるやWiki、ブログ、RSSは、これまでのものに比べれば大きく改善されている。しかし、これらは本格的な企業規模の調査プロジェクトで求められる構造は提供していない。考えられる方向性としては、構造化ブロギング、セマンティックWiki、マイクロフォーマットなどがある。エンタープライズ2.0にはまた、統合も必要となる。誰かが、Dapperのようなクロウラーや調査ツール、公開ツール(ブログやWiki)などのスタック全体を構築し、サポートする必要がある。このレベルでは、可視化を行い、「知識のグラフ」を活用することが、ハイパーリンクに加えて不可欠になる。
レベル4:大きな問題の検討。次のステップは、1つの大きな問題に取り組む、規模の大きいコミュニティの発生だ。これは、ソーシャルネットワーキングと共通の性質を持っているが、これらの「研究ネットワーク」が医療や教育、貧困削減など、地球規模の大きな問題に取り組んでいるという点が異なる。インターネットは、人間の能力を素晴らしく拡大してくれる。もちろん、インターネットは企業がものを売る方法を改善したり、われわれの注意不足の退屈した精神をくすぐるゲームを提供したり、土曜日の夜にデートにこぎつけるのを簡単にしたりすること以上に役に立つものを提供できる。Moveon.orgはこの例だろう。また、政治的な色を取り除き、新しいツールを活用してアメリカの教育危機のような課題を解決するというのはどうだろうか。
調べ物のための基本的な検索機能は、「ショッピング」としても知られる消費者行動とは異なる。こうした認識に立てば改善が可能になるだろう。YahooはMindsetと呼ばれるサービスを持っており(残念ながら「ベータ版の洗礼」にはまりこんでいるようだが)これは「購入のための検索」と「調べ物のための検索」の違いをうまく示してくれている。
わたしはこの種のツールの利用者層となる典型的な「アーリーアダプター(初期採用者)」だ。わたしの利用はレベル1とレベル2に及び、いまは将来のプロジェクトのためにレベル3の種類のツールを探している。わたしは、これらのツールがより複雑な要件に対応しうるレベルへ容易に到達するはずだと考えている。わたしが求めているのは、次のようなものだ。
R/WWの読者の多くが、新しい技術やマーケットについて、この種の調べ物を多く行っていることだろう。読者の意見を聞かせてほしい。読者も同じような問題に直面しているか?どんなツールを便利だと感じているのか?要件リストに合致する製品はあるだろうか?あなたならどんな要件を加えるだろうか?
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