ネットワーク機器メーカーCisco Systemsの最高経営責任者(CEO)John Chambers氏は、アナリストや投資家らとの電話会議の中で、インターネットが新たな局面を迎える向こう数年間にCiscoは飛躍的な成長を遂げるとの見通しを示した。
Chambers氏は2007年度第4四半期決算発表の電話会議で、投資家やアナリストらに対し、まるで水晶球に見入る占い師のように、間もなくインターネットは次の波にぶつかるだろうと語った。その波に乗ってCiscoの業績は急伸し、1990年代の初期のインターネットブーム以来の最高水準に達すると同氏は見ている。
Chambers氏は、「インターネットの第2の局面では、生産性を劇的に向上させる協調が可能になる」とし、さらに「その新局面は、Ciscoにとって1990年代前半の好調を再現するチャンスであり、少なくとも10年間に渡り、われわれの成長を後押しする」と語った。
7月28日に終了した2007年度第4四半期のCiscoの売り上げは19億3000万ドルで、前年同期の15億4000万ドルから増加した。また2007年度通年の売り上げは、2006年度の79億8000万ドルから18%増の94億3000万ドルだった。アナリストらは、同社の2007年度の売り上げを93億ドル程度と予想していた。
この売上増の主な要因としては、Ciscoが従来から手掛けてきたルーティング、スイッチング製品の販売が好調だった点が挙げられる。しかし、Ciscoは近い将来、「協調」に焦点を当てた新興ビジネスでさらなる成長を遂げる、とChambers氏は語る。そのビジネスの例としては、TelePresenceとユニファイドコミュニケーションの2つが挙げられる。TelePresenceは、新しいビデオ会議システムで、このシステムを使うことにより、人々はビデオを通じて、まるで同じ部屋にいるような感覚で会議に参加できる。またユニファイドコミュニケーションは、いくつかの通信ツールの統合を可能にする技術だ。
Ciscoの将来に対する楽観的見通しが刺激となり、同社の複数の幹部は最終的に、同社の長期的な売上成長率を12〜17%に引き上げた。Chambers氏は、2008年度第1四半期の成長率を16%程度と見込んでいるという。また2008年度通年では、売り上げが94億5000万〜95億5000万ドル、成長率は13〜17%との見通しを示した。以前の予想成長率は10〜15%だった。
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