「SEO対策済コンテンツ」は是か非か?--ブログ記事に対価を支払う企業をめぐる議論 - (page 3)

文:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:向井朋子、長谷睦2007年07月24日 16時00分

 Associated ContentのCEOを務めるGeoff Reiss氏は、同社のビジネスモデル、およびArmstrong氏が取締役会に名を連ねている問題について、擁護する発言をしている。実際のところ、Reiss氏を同社に呼び寄せたのはArmstrong氏だ。2人は「ESPN.com」「ABCNews.com」などのサイトを開発し、最終的にWalt Disneyに買収された企業、Starwaveで共に働いていた仲だ。またReiss氏は、Spy Magazine誌のゼネラルマネージャーを務めていた経歴も持つ。

 Reiss氏は「もしArmstrong氏が関わっていなければ、自分はAssociated Contentで働いていなかっただろう」と述べている。「Armstrong氏がいる会社なら、雇われる側としても、ある程度快適に働けるだろうとわかる。(Associated Contentに)同氏が関わっていること自体が、保証となる」

 Reiss氏はAssociated Contentについて、まだ無名だが才能のある書き手をウェブ上で多数発掘するという、大きな計画を抱いている。あらゆるテーマに関するどこにも帰属していないコンテンツを、ウェブ上に掲載スペースを抱えるオンライン出版社に引き合わせることに加え、Associated Contentでは、直接的な支援やオリジナルブランド契約などの開発にも取り組んでいる。

 また、コンテンツのクオリティが低いという苦情について、Reiss氏はこれを否定している。物書きとしての経験を持たない一般の寄稿者が記事を書いて配信してもらい、自らの経験や知識を他の人と共有することで報酬を得るのがなぜ悪いのだろうと、同氏は反論する。「200人の人々が読みたいと感じる素晴らしい記事を書けば、価値を創造したことになる」と同氏は語った。

 コンテンツのクオリティ以外にも、Associated Contentの配信システムには問題となりうる部分がある。複数のサイトが検索エンジンに対し同一の記事を表示する可能性があるからだ。この件を指摘したブログ「Search Engine Roundtable」の上級編集者Barry Schwartz氏は、これを「重複コンテンツ」と呼んで問題視している。

 重複コンテンツの問題に対処するため、Reiss氏は寄稿者に対し、思った以上に大きく取り上げられやすい一般的な題材ではなく、テーマを絞って書くことを奨励しているという。

 「これまで積み重ねたキャリアの末に、私がこの企業に籍を置くことにしたのは、AdSenseの複雑な仕組みに乗じて多少の金を稼ぐことだけが目的の、根性の曲がった企業を経営するためではない。さらに言えば、単にAdSenseをうまく利用するだけでは、当社の株主に価値を創造することもできない。自分は次世代のメディアビジネスを育成するためにこの企業にやってきた。AdSenseは明らかに構成要素の一部だが、私が目指しているものにも、取締役会が私に期待していることにも、近いとはとても言えない」とReiss氏は述べている。

 Associated Contentは、検索エンジンの注目を得る文章の書き方の訓練という、時流に敏感なオンラインニュース機関にとって必須の課題を実際に行っているサイトだと、SEOmozのFishkin氏は指摘する。

 結局のところ、ウェブであれ印刷物であれ、ほぼすべての出版社が広告枠を売るためのコンテンツを作成しているのではないだろうか? 出版社にとって肝心なのは、そういうことではないのか?

 「ユーザーの人気を獲得するためには、常に良質のコンテンツを提供しつづけなければならない。これは自己修正機能を備えた市場だ」とFishkin氏は語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]