Microsoftが広告技術プロバイダーのJiWireと提携した。同社は提携の下、市営Wi-Fiネットワーク上で広告を配信する意向だ。
両社は、オレゴン州ポートランドとミシガン州オークランド郡で新しい広告サービスをテストしている。
両社は提携の詳細を明らかにしていないが、広告収入は両社で分配すると述べている。
市全域をカバーするWi-Fiネットワークの一部もしくは全部の費用を広告で賄うというコンセプトは新しいわけではない。サンフランシスコ市も、市営のWi-Fiネットワークを開設したら、無料サービスを提供する計画だ。同市のネットワーク構築には、EarthLinkとGoogleが選ばれている。
しかし、JiWireの最高経営責任者(CEO)Kevin McKenzie氏によると、JiWireのアプローチはGoogleのものとは異なるという。Googleはテキストのリスティング広告を提供するが、JiWireは30秒のコマーシャルを流してからユーザーにネットワークへのアクセスを許可するという。同社はバナー広告の販売も行っていくという。
市営Wi-Fiネットワークの取り組みが2年前に具体化し始めて以来、政治家や地域のまとめ役、ネットワーク構築企業各社は、Wi-Fiネットワークがあれば、各都市を悩ます無数の社会問題や経済問題を安価に解決できると、主張してきた。Wi-Fiが情報格差を縮める手段になると見る者もあれば、ケーブル会社や通信会社に独占されたブロードバンド市場に次ぐ第三の選択肢になると見る向きもある。
しかし、Wi-Fiネットワークの構築および保守には膨大なコストがかかる。広告でコストを負担することもできるが、それも市当局とネットワーク事業者が広告主から膨大な広告運営費を集められればの話である。
JiWireは、この分野こそ、自社の力を発揮できる分野だという。
MetroFiが構築したポートランドのネットワークは、市内の一部地域に無料のWi-Fiサービスを提供するのに、広告を利用している。
しかしMcKenzie氏は、JiWireを利用することにより、MetroFiは単独で得られる額よりも大幅に多くの資金を広告から得られると述べる。同氏によると、JiWireはCPM(1000インプレッション単位コスト)あたり35〜150ドルを広告主に課金しているという。対照的に、MetroFi単独のCPMはおそらく2〜3ドルだという。
これは大きな金額の動くビジネスだ。市営Wi-Fi市場はこれさえあれば軌道に乗るのかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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