米国の無線LAN接続サービス大手であるBoingo Wirelessが、スペインの新興企業FONと提携した。FONは、Wi-Fiブロードバンド接続ポイントの共有を可能にするサービスを提供している。この提携により、BoingoのWi-Fiネットワークはわずかに拡大した。
Boingoユーザーは現在、月額料金を支払うことで、全世界に6万カ所以上存在する同社のWi-Fi接続ポイントの利用が可能となっている。今回の提携により、ユーザーはFONの接続ポイントの利用も可能になる。
またBoingoは、月額7.95ドルでモバイル端末を使ったWi-Fi接続を無制限で利用できる「Boingo Mobile」サービスを提供しており、同サービスの利用者もFONのネットワークを利用することができるようになる。
FONは、ブロードバンドサービスの加入者間でのインターネット接続の共有を可能にするWi-Fiルータを開発した。このルータにより、屋内で安全なインターネット接続が可能であると同時に、屋外の人々にもインターネット接続を提供できる。FONがこれまでに設置した接続ポイントの数は13万カ所に上るという。
FONのネットワークはBoingoのネットワークと比べると規模はかなり小さいが、徐々に拡大しつつある。また、FONのネットワークは住宅地域をカバーしているが、Boingoのネットワークはビジネスユーザーを対象としており、空港、ホテル、カフェ、都市の繁華街といった公共の場におけるWi-Fi接続の提供に重点が置かれている。
現在、FONの会員は自分のブロードバンド接続を他のメンバーに開放することにより、FONが提供する他のすべてのWi-Fiホットスポットを無料で利用できる。しかし、FONの会員にとっては残念なことだが、彼らはBoingoとの提携の恩恵は受けられない。Boingoの会員は、Boingoの有料サービスの一環としてFONのネットワークへのアクセスが可能だが、一方のFONの会員は、自分のブロードバンド接続を他の会員に開放するにも関わらず、BoingoのWi-Fi接続ポイントを利用するには通常料金を支払わなければならない。一般にFONの「alien」ユーザー、つまり自宅にFONのルータを設置しておらず、ネットワークの一部になっていない人々は、1日当たり2〜3ドルの料金を支払うことでFONのWi-Fiネットワークを利用できる。
それでも、FONはBoingoとの提携について、同社のWi-Fiネットワークの利用者を増やすための重要な手段と考えている。FONは4月、米国の大手インターネットサービスプロバイダー(ISP)であるTime Warner Cableと初めての提携を結んだ。この提携により、Time Warner Cableの660万人以上のブロードバンドサービス会員は、FONのサービスへの加入が可能になる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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