デンバー発--Microsoftは、「Office」製品の広告収入版またはオンライン版に関し、まだ計画を発表できる段階にはないが、明らかにそれらについて考察中である。
MicrosoftのコーポレートバイスプレジデントであるChris Capossela氏は、当地で開催された同社のWorldwide Partner Conferenceでのインタビューにおいて、「われわれはこの2年間、新たなビジネスモデルや配布戦略に向けたマーケティングに関し知恵をしぼってきた」と述べた。
「それはまさしく、われわれが獲得できていないユーザー層がいると思える部分に対してである」(Capossela氏)
このようなユーザー層の多くは新興市場に存在する。そのため、Microsoftは、Officeを2〜3カ月間使用可能にするプリペイドカードなどを使って、同ユーザー層の獲得を試みている。しかしCapossela氏は、米国や欧州などの先進市場におけるユーザーを獲得するビジネス機会もあることを認めている。
Capossela氏は、「こちらの市場では多くの人々がOfficeを使用しているが、旧バージョンを使用している場合が多い」と述べ、同社はOfficeの価格体系や提供形態を変えることにより、最新版の使用を促すことができるかどうか、積極的に試行していると付け加えた。
「米国でプリペイドカードの戦略が成功するだろうか? われわれはそうは思わないが、そのような問題を自問自答している」と同氏は述べた。
ひとつの可能性としては、「Office Live」スイートのソフトウェアの一部として、何らかの生産性ツールをオンラインで提供することである。BusinessWeekは2006年、Microsoftがこのような動きを模索中であると報じた。
Microsoftは自社の方向性について明らかにしていないが、同社最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏は米国時間7月10日の基調講演で、Microsoftは、Office Live製品ラインに個人向けサービスを追加する計画に向け、既存の小規模ビジネス向けOffice Liveツールのブランドを近々再編成する予定であると述べた。
Office Liveは当初、主に電子メールやウェブホスティングなどインターネット上の新しいサービスを可能とすることを目的として開始された。しかしMicrosoftは、広告で収入を得る形態で、同社の一般消費者向けソフトウェアをさらに無償で提供するべきかどうかについて、かなり前から思案中である。
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