総務省は7月3日、2007年の「情報通信に関する現状報告(情報通信白書)」を公表した。
情報通信白書は、政府が1973年から毎年作成しているもので、今回で35回目。2007年版は、「ユビキタスエコノミーの進展とグローバル展開」を特集テーマに、情報通信産業の現状や経済波及効果や、グローバル市場での日本の国際競争力を分析している。
白書によると、現在、情報通信産業は名目国内生産額の約1割を占め、全産業の中で最大規模の産業であると明示。実質GDP成長率に対する情報通信産業の寄与率は、2005年には42.4%であり、情報通信産業が経済成長に与える影響は大きいとしている。
また、日本の情報通信関連需要は、内需への寄与が高く、外需では対中国の輸出額が1999年以降急激に増加しており、特に半導体等電子部品、音響・映像機器の部分品などの中間財の増加が著しいという。
一方、情報通信産業の分野別国際競争力では、日本ベンダーは第2世代携帯電話、薄型テレビ・パネル、半導体、ソフトウェアいずれの分野でもシェアが低下している反面、コンテンツ産業は放送コンテンツを中心に海外への展開が活発で、強みとなっている。
そのほか、インターネット利用者数は平成18年末で8754万人に到達。ネット利用端末については、FTTHの普及や動画配信サービスの拡大などを背景に、PCでネットを利用する人が増加した一方で、携帯端末のみでネットを利用するユーザーが688万人と平成2005年末に比べて64.2%も減少している実態が示された。
さらに、ブログやSNSなど、個人の情報発信の機会が拡大する一方で、既存メディア同士、あるいは既存メディアとネット企業との間の提携や買収の動きがグローバルな規模で拡大していると報告された。
また、ネットは新たな広告媒体としての影響力を強めつつあり、ネット広告費は2000年代に入り急激に増加しており、今後、企業と消費者を直接結びつける手法として、既存メディアとネットが連携した広告が一層進展すると推測している。
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