このほかの機能をざっと紹介しておこう。新しく追加になったのはタイムシフト機能だ。これはグリーンハウス「w-one」にも搭載されていた機能で、番組を視聴中にちょっと席を外す場合など、ワンクリックするだけでその位置から追っかけ再生できる機能だ。追っかけ再生時は最大1.5倍速までスピードを調整できるが、音声についてはスピードが速ければトーンが高くなってしまう。他社製品ではトーンを維持する機能を実現しているだけに、今後の改良を期待したい。
また、データ放送についても進化している。これまでデータ放送の画面はマウスによる操作に対応しておらず、カーソルキーで操作するしかなかった。データ放送自体、もともとがモバイル放送向けのインターフェースということもあり、カーソルでクリックするという操作体系に対応していなかったのだが、今回の製品ではこれらの操作がマウスでできるようになった。単に「データ放送を受信できます」というだけの機能だったのが、ようやく実用的になった感じだ。
マウス関連ではこのほかにも、マウスホイール操作でチャンネル切り替え、もしくは音量調整が行えるようになった。また、画面をJPEGなどの静止画として保存するボタンが追加されたのも特徴だ。
なお、これらの機能のいくつかは、本製品と同時期に発表された新ユーティリティーを使うことにより、従来製品でも利用できる。従来製品のユーザーはきちんとチェックしておこう。
製品開発のスタンスとして、どちらかというと我が道を行く印象のあるアイオーの製品群において、今回の新SEG CLIPについては他社が採用している機能を貪欲に取り込んできた印象だ。実際、他社製品にあって本製品にない機能といえば、現状ではバッファロー「ちょいテレ」にある複数チューナのサポートくらいではないだろうか。文字通り「いいとこ取り」の製品である。
これで他社製品よりも高額であれば話は別なのだが、登場時の実売価格は従来と据え置かれており、コストパフォーマンスは非常に高い。現在ワンセグチューナの購入を考えている人にとっては、候補の最右翼とすべき製品だろう。
1971年秋モデル。大手PC周辺機器メーカーで販促・マーケティングを担当する一方、テクニカルライターとして活動。現在はNTTデータキュビットにてコンサルティング業務に従事しつつ、PC周辺機器のレビュー、ライフハック記事執筆から、エイプリルフール記事の企画構成まで脈絡もなく活動中。
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