MSからグーグルへアドバイス--法務担当者が語る「規制当局とのつきあい方」

文:Candace Lombardi(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年06月29日 14時05分

 ボストン発--Microsoftの弁護士が、反トラスト関連規制当局と争った経験から同社は教訓を得ており、それはGoogleにとってもいくらか参考になるだろう、と述べている。

 Microsoftのコーポレートバイスプレジデント兼副法律顧問であるMarshall Phelps氏は、同社が米司法省と早期に交渉していれば、さらなる問題を回避することができたはずであったと述べた。同社は10年以上にもわたり規制当局と争った挙句、2002年に、同社の活動に対するより厳重な監督を求めた米連邦政府との歴史的な和解に同意した。

 Phelps氏は、「Microsoftがいくつかの点に関し、もう少し早く譲歩していたならば、そのような結果には至らなかった」と述べた。

 Phelps氏は、当地で開催された「Red Herring East」カンファレンスで講演し、「企業が遭遇する問題の1つは、自社がどれほど強力であるか、またどれほど強力だと思われているかを認識していないことである」と述べた。そして同氏は、オンライン検索やアプリケーションの分野においてMicrosoftの主要なライバルの1つであるGoogleに対し、同氏のコメントを述べた。

 Phelps氏は、「Googleは、Microsoftが直面したのと同じ規制上の制約に直面することになるだろう。これは悪い例を取り上げた法規制になるだろう。何かひどいことがおきるだろうが、規制当局は聞き入れず、プライバシー問題に関する何らかの法案を作成するだろう」と述べた。

 Phelps氏は、反トラスト規制に直面している企業らにいくつかのアドバイスをした。

 「君子危きに近よらず、規制当局に対してはもう少し謙虚でいるほうがよい。規制がなくなることは決してないのだから」とPhelps氏は述べた。「企業がどれだけの優秀な弁護士を雇用していて、どれだけの資金を持っているかなどは関係ない。どちらにしても必ず規制当局が勝つからだ。それはもう決まっているのだ。だからもっと協力的になって、政府に勝ったと思わせるのだ。『あなたの勝ちだ。われわれは行動を改める』と言えばいいのだ」(Phelps氏)

 Phelps氏によると、Microsoftはこのアドバイスに従い、同社の規範を変更し、欧州連合(EU)の規制に反しないように「多大な努力を」しているという。

 Googleは、Phelps氏の意見には賛成しないかもしれない。同社は最近、Microsoftが「Vista」OSに加えると同意した変更は、そのコンピュータ検索機能がGoogleなどの潜在的競合他社に不利益を与えるという問題に十分に対処していないとして、連邦裁判所に訴状を提出したばかりである。

 しかし、Googleの訴えは現在のところ、Microsoftの反トラスト法遵守を担当する連邦判事によって退けられている。Colleen Kollar-Kotelly判事は、同提訴について意見を述べることは考えておらず、Microsoftが既に同意している以上の変更を適用することが必要と判断される場合、その警告を発するのは規制当局に一任していると述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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