続々と登場するリッチインターネットアプリ--一体何に最適か? - (page 3)

文:Alex Iskold 翻訳校正:吉井美有2007年06月19日 08時00分

どのような使い道があるか

 これらがすべて目覚しいフレームワークであることに疑いはないが、どのような必要性があるのだろうか。これらの企業は、わざわざRIAのR(Rich)の条件を満たすためだけにこれらのフレームワークを作ったわけではない。主な目的は、アプリケーションのオフラインモードをサポートすることだろう。典型的な例は、飛行機の上で電子メールにアクセスすることだ。例えば、Gmailはオフラインでは利用できないため、企業はOutlookを捨ててGmailを選ぶことはできない。オフライン機能を活用できるオンラインアプリケーションの他の例には、Basecampのようなプロジェクト管理アプリケーションやカレンダー機能がある。

 このように、オフラインモードでウェブアプリケーションへのアクセスが可能なのは便利だ。しかし、オンラインアプリケーションのように見え、振る舞うデスクトップアプリケーションを作るのも便利なのではないだろうか。この質問への答えはあまりはっきりしない。ではそれを行う理由は何か?その理由は、ローカルストレージやネットワークへのアクセスなどのデスクトップの機能を生かすものでなくてはならない。しかし、それはSilverlightやGearsでも、ブラウザから直接できることだ。このため、オンラインアプリケーションのように見える完全なデスクトップアプリケーションで、しかもブラウザで実行されないものというのは、あまり説得力を持たない。

RIAフレームワークは“やり過ぎ”か

 このように、主な用途はオフライン利用のサポートだ。われわれがオフラインで活動する場合もあることは確かだが、ほとんどの時間をオンラインで過ごす人が増えている。ブロードバンド、無線LAN、モバイル機器は急速に普及しており、オフラインの問題は小さくなってきている。残る大きな隙間は飛行機に乗る場合だが、この問題に対する解決策も登場しようとしているようだ(飛行機内の無線インターネットアクセス)。インターネットが空にまで届くようになると、われわれにはオフラインでいる理由がなくなる。そのとき、このRIAフレームワークはどういう位置付けになるのだろうか。

結論

 RIAフレームワークを提供する大手のプレーヤーの間の活動は大変活発になっているが、主要な用途は1つしかないように見える。オフラインモードのサポートだ。この観点から見ると、Apolloは失敗であるが、SilverlightとGearsは正しい道筋を辿っている。開発の観点からこれを見ると、開発者が.NETアプリケーションを作れることから、Microsoftのソリューションが優れている。これは(JavaScriptに比べて)より堅牢なプログラミング言語とツールを使えることを意味するからだ。しかしそれよりも、もしわれわれが常にオンラインになってしまったら、誰がオフラインモードのことを気にするのだろうか。

 オフラインの状況がそんなに早く消えてしまうというのは、楽観的すぎるのかもしれない。時が経てば分かるだろう。しかし今日でさえわたしには、ウェブアプリケーションはわれわれの情報を操ることにかけてはデスクトップアプリケーションよりも優れているように思える。

 これについてどう思われるだろうか?本当のRIAの用途が他にあるだろうか?あなたはどのプラットフォームが一番意味があると思うだろうか。

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