通信事業大手クウェストの会長兼CEOが退任へ

文:Marguerite Reardon(CNET News.com) 翻訳校正:吉武稔夫、小林理子、編集部2007年06月12日 20時00分

 通信事業大手Qwest Communications Internationalは米国時間6月11日、同社会長兼最高経営責任者(CEO)のRichard Notebaert氏(59歳)が両方の職から退く予定であることを明らかにした。

 Notebaert氏は、取締役会が後任人事を決定するまで現在の職にとどまる。Qwestによれば、取締役会は後任人事について、いつまでに決定するかは示していないものの鋭意検討中だという。また、Notebaert氏の退任に伴う経営戦略や運営方針の変更は予定していないとのことだ。

 Notebaert氏は2002年からQwestの会長兼CEOを務めている。同氏はトラブル続きだったQwestを導き、2006年には同社始まって以来の営業利益黒字化を果たした。

 Notebaert氏は声明で次のように語っている。「家族とともにすごす時間を増やし、ほかの仕事にも注意を向けるべき時期が来た」

 同氏がQwestのトップに着任した当時、同社はスキャンダルにまみれていた。前任者だったJoseph Nacchio氏は、2001年4月と5月に売却した時価5200万ドル相当のQwest株に関連して、2007年になって19件のインサイダー取引について有罪と認定された。判決は7月27日に予定されており、10年の禁固刑が下る可能性がある。Nacchio氏は、上訴する意向だ。

 QwestのCEOを務める以前、Notebaert氏は通信機器会社Tellabsの社長兼CEOを短期間務めた。さらにその前には、電話会社Ameritechに30年間勤め、1994年から1999年までは同社のCEOを務めた。同氏が1999年10月にAmeritechから去ると発表した3日後、同社は700億ドルを超える金額でSBC Communications(現AT&T)に売却された。

 Notebaert氏がQwestのCEOに指名されたとき、ウォール街の観測筋は、大型合併でブローカーの懐を潤してくれるだろうと憶測したものが多かった。しかしこの2年ほどの間、Qwestは地域電話会社として唯一、他の大企業に吸収されずに残っている。

 2006年にはVerizon Communicationsが長距離通信会社MCIを買収し、SBCとAT&Tが合併している。さらに、それから1年と経たないうちに、合併によって誕生した新AT&TはBellSouthを買収した。Qwestは、これらの合併に反対して活発なロビー活動を展開した。

 しかし、Notebaert氏は、Qwestの回線を利用している特定のサービスに対して優先的な通信帯域を提供するインターネットの階層化という考えを支持しており、この点ではAT&Tの前CEOであるEd Whitacre氏など、他の電話会社の経営幹部と意見を同じくしている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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