周囲の騒音を約92%もカットするというノイズキャンセルの実力はかなりのもの。レベルが非常に高く、特に低域ではその効果をかなり発揮した。ノイズキャンセルをオンにすると、防音ルームに入ったときのように耳がシンと感じる。
最も騒音の激しい場所の1つである地下鉄でも、電車のエンジン音を始め、空調音や線路のつなぎ目での“ガタンゴトン”という音はかなり低減してくれる。個人的な印象としては、現在発売されているノイズキャンセルヘッドフォンの中でも、高い遮蔽性をもつボーズの「QuietComfort3」に匹敵するレベルだと感じた。
他にも、交通量の激しい国道沿い、繁華街など騒音を感じられる場所で使用したが、どの場所でも普段より小さな音量で十分に音楽が楽しめた。電車内のアナウンスなど、人の声は聞こえてくる。だが、車のエンジン音、工事現場で重機が動く音など、中〜低域にかけての音に関しては充分に低減してくれる。
注意したいのは、ノイズキャンセル機能のオン・オフで、リスニングの音質が明らかに変化してしまうこと。オンにするとノイズキャンセルと共に音量が上がるので、少しうるさく感じることもあるかもしれない。
気になる音質は、大まかにいうと、曲の雰囲気よりも“ノリ”を優先させているという印象だ。高域、中域、低域と、どこかが凹んでいる感じではない。だが、すべての音を出そうとするあまりか、それぞれの楽器が前面に主張してくる。特にエレキギターやシンバル、シンセサイザーなど、尖った音が強調される。音の傾向からは、エネルギーのある音を求める人にはいいかもしれない。
だが逆に言うと、全部の音が前面に出てくると、曲のイメージは平板に聞こえてしまうこともある。ボーカルの吐息や、弦楽器の消えゆく音の余韻といった、音楽の持つ味わいを繊細に伝えるという感じはあまりない。
ノイズキャンセル機能に関しては、現在発売されているモデルの中でもトップクラスの実力があると実感した。92%の騒音を低減するというフレーズも、大げさには感じられない。
着脱可能なヘッドフォンケーブル、キャリングケースなど、ノイズキャンセルヘッドフォンとしての機能や同梱品も必要十分だ。
店頭では約1万8000円前後(2007年6月1日現在)で販売されており、ヘッドフォンとしてはやや高め。だが、パンク、テクノ、ヒップホップなど、細かな再現力よりも、曲の迫力を要するジャンルを好んで聴く人には、いいかもしれない。
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