大規模なインターネット企業には必ずオンラインセキュリティを担当する部署があり、Googleも例外ではない。今回Googleはここの部署で扱っている情報を公開することにした。同社は米国時間5月21日、Google Online Security Blogを開始した。同ブログは、1年ほど前から存在するもののほとんど知られていない同社のマルウェア対策チームのニュースを掲載する。
Googleはその最初の投稿の中で、ウェブサイト10件のうち1件は悪質なサイトであるという内容の、今や有名になった同社の声明について不明だった部分を明確にした。この声明は、Niels Provos氏、Dean McNamee氏、Panayiotis Mavrommatis氏、Ke Wang氏、Nagendra Modadugu氏による4月に開催されたHotbots 2007での発表に基づくものとして発表された。Provos氏は、論文「The Ghost in the Browser(ブラウザに潜むゴースト)」(PDFファイル)は数十億件のウェブサイトに対する分析結果に基づくため、メディアに引用された数値は0.1%(1%以下)であるべきだと述べている。この調査では、数十億件から疑わしい1200万サイトが選択されたのだという。その結果、1200万件のうちの100万サイトが悪質なコードのドライブバイダウンロードに関わっていることが検出された。22日付けの投稿には、攻撃を受けたウェブサイトと配信サーバをホスティングする国を示す色分けされた地図も掲載されている(2つの地図において米国と中国は赤で表示され、カナダとロシアがそれに続く危険色で表示されている)。
インターネット上のマルウェアは大きな問題であるため、Googleは独自に静かにウェブサイトを評価していた。同社の検索エンジンを頻繁に利用するユーザーは、GoogleがそのサイトをPCに有害である可能性が高いとみなしていることを示す記述を、サイト名の下に発見した経験があるかもしれない。
大手セキュリティベンダーであるSymantec、Trend Micro、McAfeeは現在、オンライン検索結果に対し同様の警告を表示する製品を提供しているため、このGoogleの動きは興味深い。ZDNet.comのブロガーであるRyan Naraine氏は、Googleにこれらのベンダーに対抗する計画があるのか、あるいは既存のセキュリティベンダーを買収するつもりなのだろうかと首をかしげている。当然Googleは、同社の今後の計画に関する噂についてはコメントを避けた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス