MySpace.comは米国時間5月21日、性犯罪者の登録データを求める州検事総長らの要請に応じる計画を明らかにした。
MySpaceの声明によると同社は、Multi-State Attorney General Executive Committeeに「Sentinel Safe」のデータを提供する予定だという。Sentinel Safeとは、MySpaceがID識別技術企業であるSentinel Tech Holdingと提携することにより構築された、性犯罪者の情報を登録したデータベースである。州の登録機関から集めたデータを使用しており、2006年後半から稼動しているが、正式採用されたのは2007年5月2日である。
MySpaceの関係者によると、効率が新計画の要だという。同社の最高セキュリティ責任者(CSO)であるHemanshu Nigam氏はインタビューで、「性犯罪者の登録機関は50以上あり、それぞれがばらばらで、これまでは、それを1つにまとめて自社のユーザーデータベースと照合する方法がなかった」と述べている。MySpaceの親会社であるFox Interactive Mediaでゼネラルカウンセルを務めるMichael Angus氏によると、これまでSentinel Safeによって、約1億8000万のプロファイルがあるMySpaceのユーザーデータベースから、性犯罪者による登録約7000件を識別し削除したという。Fox Interactive MediaはNews Corp.傘下となっている。
同氏は「これまで、性犯罪者たちは(ソーシャルネットワーキングサイトへ)自由に出入りできる気になっていたが、そのような時代は終わった」と述べた。
MySpaceは当初、5月に入ってから8州(コネチカット州、ジョージア州、アイダホ州、ミシシッピ州、ニューハンプシャー州、ノースカロライナ州、オハイオ州、ペンシルベニア州)の州検事総長から送られた文書で述べられている要請に、法律により応じることはできないと主張していた。その文書は「性犯罪者がMySpaceを利用して、子どもとと対面する状況を作ったり、そのほかの危険な行動に誘い出したりしているという」懸念に言及し、MySpace.comに性犯罪者の登録データを提供するよう求めたものである。
MySpaceはこれに対し、電子化されたプライバシー情報を召喚状なしで開示することを禁じた「電気通信プライバシー法(Electronic Communications Privacy Act of 1986:ECPA)」や、同様の規定を持つ州法などにより、情報の提供はできないと返答していた。
しかし両者は先週、合意に達したようである。Angus氏とNigam氏によると、MySpaceが今回発表した州検事総長らとの協定を通じて、連邦法および州法の問題を解決することができる見込みだという。MySpaceの関係者によると、同社は州検事総長らと、Sentinel Safeのデータ提供計画を常に検討してきたと強調した。検事らは各州の法務執行機関に情報を提供する可能性もある。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」