Advanced Micro Devices(AMD)が、ノートPC専用のプラットフォームを開発していることを明らかにした。
同社が開発しているのは、ノートPC用の省電力型プロセッサ「Griffin」(開発コード名)と、これをベースとしたプラットフォーム「Puma」(開発コード名)だ。Griffinは、Intelの「Centrino」と同じようなノートPC向けプラットフォームで、急成長を続けるノートPC市場におけるAMDの競争力を高めるとみられる。
AMDの特別研究員であるMaurice Steinman氏によると、Griffinは2007年末に向けて量産体制に入り、Griffinを搭載したPumaベースのノートPCは2008年半ばに出荷が始まるという。
ライバルのIntelは、AMDに先駆けてノートPC向けに最適化されたアーキテクチャを持つ専用のプロセッサを生産しており、2003年の初リリース以来、ほぼ定期的に新しいバージョンを送り出している。こうした努力もあって、IntelはAMDに対し、ノートPCの市場シェアに関しては、他の市場に比べてもはるかに大きな優位を確保している。
Griffinのリリースに続いて、AMDはCPUにGPUを統合したプロセッサ「Fusion」(開発コード名)の出荷を計画しているとSteinman氏は述べた。Fusionは、まずノートPCに搭載される予定だ(2006年の時点で、AMDはFusionのリリース時期について、2008年または2009年になると述べている)。
Steinman氏によれば、GriffinはAMD初のノートPC専用プロセッサだという。AMDは現在でもノートPC向けにカスタマイズしたプロセッサを販売してはいるが、これらの製品は、実際には他の市場に投入しているプロセッサの省電力性能を高めたバージョンにすぎない。
Steinman氏も「当社の現在の製品ラインアップでは、ノートPC、サーバ、デスクトップPCといった種別を問わず、基本的には同じマイクロアーキテクチャを採用している」と述べている。
AMDによると、ノートPC専用の新しいアーキテクチャを採用することで、さらなる省電力化が図れるという。また、他のメリットとしては、アーキテクチャの仕組みに変更を加えても、サーバ向けのCPUに影響を及ぼさずに済むといった点もあると、AMDでは語っている。
たとえば、Griffinでは、プロセッシングコアが2基、そのプロセッシングコアとメモリ間のデータのやり取りを制御する統合メモリコントローラが1基設置される予定だが、これらはすべて独立したパワープレーン(電力供給ブロック)上に実装される。3つのサブコンポーネントのプレーンがすべて独立しているため、Griffinでは、うち2つがディープスリープ状態になっている状態でも、残りの1つを稼働させ続けることが可能だ。また、メモリコントローラ自体もこれまでより低い電圧で動作する。
これに対して、次世代のサーバ用4コアプロセッサ「Barcelona」(開発コード名)では、メモリコントローラこそ独立プレーン上に実装されるが、4つのコアはすべて同じプレーン上に実装される。この理由ついてSteinman氏は、省電力性はサーバにとっても大切な機能だが、ノートPCに比べるとその重要性は低いからだと説明している。
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