カリフォルニア州サンフランシスコ発--Sun MicrosystemsのJavaが正式にオープンソースプロジェクトとなった。ただし、一部例外が含まれるという。
Sunは当地でのJavaOneカンファレンス開幕日に当たる米国時間5月8日、OpenJDKウェブサイトで「Java Platform Standard Edition(Java SE)」向けの 「Java Development Kit(JDK)」を正式にリリースした。
この動きにより、だれでもJavaソフトウェアを調査、修正、再配布できるよう、普及している同ソフトウェアのオープンソース化という約束が果たされることになる。Sunは、同プロジェクトの「分派」により互換性のないバージョンが登場することを懸念し、Javaのオープンソースソフトウェア化に何年も前から反対していたが、その態度を軟化させた。
Sunのソフトウェア担当エグゼクティブバイスプレジデントRich Green氏は、同カンファレンスの開会にあたり、「Javaのオープンソース化についてはこれで完了した」と述べた。
だが、実際のところは完全ではない。Javaのオープンソース化には注目すべき例外がいくつかある。
ひとつには、あるサードパーティーの説得にSunが失敗していることが挙げられる。同社最高オープンソース責任者Simon Phipps氏が9日に開かれたパネルディスカッションで語ったところによると、Javaに技術提供した同サードパーティーにコンポーネントをオープンソースソフトウェアとしてリリースすることを説得していたが、上手くいかなかったという。
これらのコンポーネントは、画面上でのグラフィックスとフォントのレンダリングやカラーの選択を処理するために使われる。SunのOpenJDKアンバサダーTom Marble氏によると、これらはサウンドや暗号の要素にも関係があるという。Marble氏は、「著作権所有者とは既にコンタクトをとったが、オープンソースライセンスでの公開を求める交渉に失敗した」と語っている。
Sunはこの問題を回避するため、現時点ではこのプロプライエタリソフトウェアをビルド済みの「バイナリ」モジュールとして組み入れ、プログラマーがソースコードからビルドしたJavaに添付できるようにしている。
Phipps氏はこのサードパーティー企業の名前を公表したかったが「否決」されたという。Phipps氏としては「公表を提案していた」が、Richard Stallman氏の勧告を聞き入れることにしたという。Stallman氏は、Free Software Foundationを立ち上げ、オープンソースJavaも規定するようになった最初のGNU General Public License(GPL)を作成したビジョナリーである。
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