IDCのアナリストAl Gillen氏は、「これが場外ホームラン級の決め手になるとは思わない」と語っている。同氏は、LinuxにはまだWindows PCのユーザーにとって大きな魅力がないと考えている。しかし今回の動きは、Dellが先手を打ってきた点が注目に値する。Gillen氏は、「一般的に、Dellはそれに見合う十分な台数を販売できない行動は起こさない」と語っている。
PCベンダー最大手のHewlett-Packard(HP)にシェアを奪われつつあるDellは、同社の象徴である、「顧客との直接のつながり」を取り戻そうとしている。LinuxベースのPCについては、IdeaStormサイトに「膨大な数の」要望が寄せられたと、Cook氏は語っている。
Cook氏は、「われわれには、これを望む顧客の声が大きく、はっきりと聞こえた」と語っている。そして、Linuxを望む人の「80%がUbuntuを指定してきた」という。
Cook氏はLinux PCについて、その価格設定の詳細も、Windows PCとの差額も明かさなかった。
Dellは1999年にLinux PCを発売し、2000年にはノートPCも投入した。しかし、2001年になると方針を転換し、十分な需要がないとしてLinux PCの販売を中止した。Dellは現在、一部のビジネス向けPCでRed HatもしくはSUSE Linuxを認定している。
今度は状況が変わると、Cook氏は語っている。
Cook氏は、「2001年からかなりの進歩があったと思う。Linuxは消費者でも何かしら利用できるところまで進化した」が、Linux PCは、Windows Vistaよりも数が限られるLinuxファン市場が中心になる、としている。
Dellはまた、独自調査によって自らLinuxに対する要望を確認した。同氏は、「大のLinuxファンは間違いなくいるが、われわれも独自に調査した」と語っている。
ただ、Dellのこの動きがMicrosoftを首位の座から引きずり下ろす可能性はしばらくはない。サーバに関し、同社はLinuxやUNIXの複数の強力なライバルとOSで競合しているが、PCの販売における独占的立場は全く揺るぎない。
2006年に出荷された1億6050万本のOSライセンスのうち、Mac OS Xが4.1%、Linuxが3.8%であるのに対し、Windowsはその92%を占めたと、Gillen氏は語っている。同氏は、「デスクトップではLinuxに爆発的な勢いは見られない」と語っている。
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