番号ポータビリティの敗因はネットワークと料金--NTTドコモ社長が分析

永井美智子(編集部)2007年04月27日 20時59分
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 「番号ポータビリティ(MNP)導入で純増シェアが低下した原因はネットワークと料金」――NTTドコモ代表取締役社長の中村維夫氏は、2006年10月に開始したMNPの影響についてこのように分析する。4月27日に開催した2007年3月期の通期連結決算発表会の席上で述べたものだ。

 ドコモは2007月3月期の前半、純増シェアが50%前後だった。しかしMNP導入後の2006年11月には加入者数が純減するほどに落ち込み、2007年3月期通期の純増シェアは30%にとどまった。

純増シェア推移 携帯電話事業者3者の純増シェア推移(提供:NTTドコモ)

 この原因について、中村氏はまず、通信料金が高いというイメージを持たれていることを挙げる。「実際はauと料金水準は変わらないが、(MNPで通信事業者を変えた理由として)『料金が高い』という答えが多かった。端末の料金が他社に比べて高いため、料金が高いというイメージを持たれているようだ」

 また、FOMAのネットワークがつながりにくいというイメージも持たれていると紹介。「(FOMAの)ネットワーク敷設を進めてきたが、初期にあったつながりにくいという印象がぬぐえていない」。MNPでほかの通信事業者に移行した加入者を分析すると、movaユーザーの移行率がFOMAよりも高いとのことだ。

 このためドコモでは、2008年3月期にさらなるFOMAのエリア拡大を目指す。基地局を新たに1万4000局増やし、2008年3月末には5万6700局にする予定。屋内や建物の陰などでもつながりやすくする考えだ。

 また、定額制の普及により通信量が増えていることから、既存基地局の設備も増強する。2007年3月末時点でのパケ・ホーダイ契約者数は956万件と前期比の約2倍になり、契約率は27%となった。

 2007年3月期の連結決算は売上高にあたる営業収益が前年同期比0.5%増の4兆7881億円、営業利益が同7.1%減の7735億円、純利益が同25.1%減の4573億円となった。営業利益が下がったのはFOMAの販売数増加に伴う経費が増えたため。

配当性向を44%に

 2008年3月期の業績見通しは営業収益が前期比1.3%減の4兆7280億円、営業利益は同0.8%増の7800億円、純利益は同4.1%増の4760億円。定額制の普及などによる減収を、端末コストの削減で補う。具体的には通信用LSIとアプリケーション用LSIを1チップ化して製造コストを下げるほか、共通プラットフォームの導入でソフトウェアのコストも下げる。

 また、株主への利益還元も強化する。2008年3月期には1株あたりの配当金を4800円とする予定。配当性向は44%になる予定だ。

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