【開発者インタビュー】日立/Wooo--“映像ポケット”がもたらす新テレビライフ

インタビュー・文:増田和夫 写真:津島隆雄2007年05月11日 11時34分

「iVポケット」でテレビの録画機能をさらに進化させた


尾関孝介 氏 株式会社日立製作所
コンシューマ事業グループ
デジタル
コンシューマ事業部
商品企画本部
メディア・
コミュニケーション部 部長
尾関孝介 氏

--まず、今回のWoooシリーズiVDR-S対応モデルの基本コンセプトをお聞かせください。

尾関 今回のWoooには別売のiVDR-Sカセットを着脱するスロットを設けて、これを「iVポケット」と名付けました。ネーミング通り、多くのコンテンツを自由に出し入れできる“映像のポケット”のついたテレビ、というのが基本コンセプトです。

 DVDやBlu-rayディスクのように、1枚のディスクに1タイトルを保存するのではなく、1つのiVDR-Sカセットにたくさんの番組をハイビジョンのまま録画できる。そしてカセットの追加で無限に容量を増やせる。さらにジャンル別や自分専用のカセットも作れる。

 iVDR-Sによって、そうした新しい便利さと、今までにないテレビの視聴スタイルを作りたいと考えて開発しました。

iVポケット

本体右横にiVDR-Sカセットを着脱できる「iVポケット」を装備。作動中のLEDが点灯していない時はいつでも取り外しが可能だ


--日立は以前から録画機能付きのフラットテレビを開発していますが、開発されたきっかけは?

尾関 2000年頃からAV機器にHDDが採用され始め、その利便性に着目していました。当時は蓄積型eP放送のHDD録画システムなどを開発していて、これがストリーム録画のルーツといえます。それらのノウハウを活かして、2003年にHDD録画ユニット付きのハイビジョンテレビWoooシリーズを発売しました。

 1号機はテレビモニタと録画ユニット(AVCステーション)のセパレート型でした。その後、HDD内蔵DVDレコーダーの普及で、タイムシフト視聴の便利さが認知されるようになり、2005年モデルからモニタとAVCステーションの一体型に進化させました。2006年にフラットテレビの普及率が16%を超えた時点で、HDD録画機能付きのテレビは行ける! と確信しました。ユーザー層がオピニオンリーダーから一般層に移行し、ユーザーの関心もスペック重視から利便性に移ってきたからです。

 HDD録画機能付きなら省スペースで接続不要、ボタン1つで即録画できます。こうした便利さを訴求できる、と考えたのです。そこで2006年モデルでは内蔵HDDへの録画機能を前面に出して販売しました。

--内蔵HDDに加えて、着脱できるiVDR-Sカセットに対応した理由とは?

尾関 おかげさまで、弊社のフラットテレビは、HDD内蔵モデルが約7割を占めるまでに成長しました。顧客調査では、お客様の認知度も87%と高くなっています。ところが、実際に購入を検討している方は26%と今ひとつ伸びていませんでした。

 HDD内蔵だけでは限界があったのです。調査をしてみると「レコーダーを別に買うから内蔵HDDは不要」「内蔵HDDが壊れたら不安」「内蔵HDDがいっぱいになるのが不満」というご意見を多くいただきました。

 この“不要・不安・不満”を払拭する新しい記録メディアが必要であることがわかりました。それがリムーバブルHDDであるiVDR-Sというわけです。iVDR-Sなら、簡単に多くのハイビジョン番組を録画してHDDカセットで取り出せる。万一HDDが壊れたら交換できる。カセットを交換することで無限に容量を増やせる。iVDR-S対応で従来の課題を克服し、テレビの録画機能をさらに便利に進化させられる、と考えたのです。


PICK UP ITEM
日立Wooo P50-XR01(デジタルハイビジョンプラズマテレビ)


日立/Wooo P50-XR01(プラズマテレビ)

録画機能を内蔵した薄型テレビ、「録画もできるWooo」の最新モデル。録画メディアに内蔵HDDと持ち運び可能なHDD「iVDR-S」を採用し、HD画質録画、コピーワンスコンテンツのムーブなど、デジタルハイビジョン時代に最適な録画環境を、これ1台で構築できる。1920×1080ドットのフルHDパネル、映画コンテンツを美しく自然に再現する「なめらかシネマ」など、独自の高画質機能もふんだんに盛り込まれている。

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