ラリー・サンガー氏が語る--今のWikipedia、未来のCitizendium - (page 3)

文:Neha Tiwari(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年04月25日 08時00分

――記事の審査手順にはどのくらいの時間がかかるのですか。

 そうですね、それは記事の審査手順がいつ始まると考えるかによります。審査のために誰かが記事を投稿した時点、誰かがその記事を審査にノミネートしたときからであれば、最短で1週間です。別の言い方をすれば、誰かがその記事にコメントする機会が最低1週間必要だということです。審査手順は素早さを第一に考えているわけではありません。審査は実際に意味があり重要なものであるべきだからです。現在はわれわれは全ての審査を手動で行っていますが、編集者がボタンをクリックするだけで記事を承認できるようにソフトウェアを変えようとしています。これは今はできないのですが、これが可能になれば手順は少し速く、簡単になるでしょう。

――Citizendiumは大きなプロジェクトです。この回線帯域をどこから手に入れているのですか。

シカゴのSteadfast Networksが好意で回線帯域を寄付してくれています。文字通りの帯域と、われわれの5つのサーバのうち2つです。われわれはこれに非常に感謝していますが、毎月の請求書もあり、決して安くはありません。寄付金を集めているので、もう少しお金が集まればいいのですが。できることには色々あると思います。1つ、われわれが真剣にやろうと考えていることは、寄付者に関する情報をページの最後に掲載することです。これは、一部の企業や団体にとってはいい動機になるのではないかと考えています。

――Citizendiumがまさに始まろうとしています。あなたは次の5年間をどう見ますか。

 私は5年間で100万以上の記事があり、そのうち10万が承認されていることを望んでいます。また何万もの活動的な人たちが参加してくれており、そして例えば1万人の比較的活動的な編集者が参加してくれているといいですね。また、Citizendiumをもっとも高いランクを持つウェブサイトの1つにしたいと思います。それから、いくつかの異なる言語でもスタートしていて、それぞれの言語に担当の編集長がいることにも期待しています。さらに、少なくとも編集長の立場の人たちが全て生計を立てられていればいいですね。

 そして、われわれ以外にも、他の人たちが取り組んでいるプロジェクトも多くあります。例えば、一種のディベートの百科事典、いわゆるディベートガイドですが、Debatepediaのようなものがあります。またニュースを提供するwikiサイトもあります。こういったものを、われわれのやり方で実現したいと思います。実際、5年間の道のりの後には、私はもう編集長ではなくなっていることを期待しています。実際、私はすでに編集長ではなくなるように手配しています。誰か他の人が引き継ぎ、5年後にはその人も代替わりして3代目の編集長になっているはずです。1人の個人に依存するのではなく、かつてそうであったように、コミュニティの主権がコミュニティメンバーにあるようなものでなくてはならないのです。

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