ラリー・サンガー氏が語る--今のWikipedia、未来のCitizendium - (page 2)

文:Neha Tiwari(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年04月25日 08時00分

――細かいことやCitizendiumの働く手順の話になるのですが、われわれCNETでは、wikiのトピックに対応する記事そのものがあれば、記事へのリンクを貼るようにしていますが、これはすぐにブロックされ消されてしまいます。Citizendiumではこういうことは許されるのですか、あるいはこれは正しくないと見なされるのでしょうか。

 そうですね、私は細かい方針についてはまだ検討中です。ただ、われわれは、一般的な情報資源を自分の記事を宣伝するのに使うことには賛同できません。その一方で、CNETやNational Geographic、スミソニアン博物館などの信頼できる情報源の人が、本当に適切な場合に注意深くリンクを張ってくれて、それがすでに張られているリンクと同じくらいよければ、それは良いことかも知れません。

 結論として、トピック情報提供者ワークグループと呼ばれるものを使うことになるかも知れません。これは、専門家たちや自分たちの考えなどを広めたい人たちとの、窓口になる人たちです。このワークグループはおそらく、ある種のマーケティング活動などを慎重に管理しなくてはならなくなるでしょう。わたしは、CNETが、既存のものよりうまく記述されていて重要な記事などへリンクを張ることには何も問題ないと思っていますが、一方で、誰でも好きなものにリンクできるリンク集にはしたくないのです。ですからこれは管理されていなければならず、いかに管理すればよいかは、われわれが注意深く考えなくてはならない問題です。

――いくつかの意味で、われわれが知っているインターネットは匿名性の考え方に基づいています。Citizendiumでこれを許さないのはなぜですか。Citizendiumを使うのに、自分が誰であるかを明らかにし実名を使わなくてはならないのはなぜでしょう。

 2つほど異なる理由があります。第1に、匿名性があると、間違った方向にゆきそうな人たちの行動に拍車がかかることは往々にしてあります。 彼らに責任をとってもらうことはできません。彼らは、責任を負わされないので、他の人のプロセスを台無しすることだってできます。理由はこれだけではありません。他の理由の中で最も大きいのは、実名を使うことによってプロジェクト全体が非常に信頼できるように見えるということです。もしある記事のページの履歴を見たときに、そこに実名があれば、誰かが非常にまずい間違いを犯した場合でもそれがある程度まで抑えられるだろうと安心できます。もし、仮名やIPアドレスしかなければ、そんな保証は得られません。

――実名を使えば、投稿するときに一種の責任を感じるということですか。

 私はそれが確かに責任感を増すと思っていますし、他の人が求める実際の責任も増すと思います。

――しかし、それだけでは攻撃的なコンテンツや嘘のコンテンツが投稿されるのを防ぐことにはなりませんね?

 もちろん、なりません。

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