本機はHDDムービー「Everio」シリーズの最上位モデルで、世界初のフルHD(ハイビジョン・1920×1080ドット/インターレース)記録のビデオカメラである。本機以外のHDVやAVCHD規格のカメラもHD映像対応とうたわれているが、両規格ではフォーマットの制約上一部のモデルをのぞき、1440×1080ドットまでの対応となっていた。
これに対して本機は、コンシューマ用カメラとしては初の1920×1080ドットのフルHDムービー撮影を実現している。ムービーの記録は60Gバイトの1.8インチ内蔵HDDとSDカードに行い、HDDに最大約5時間のフルHDムービー(FHDモード)を記録できる。動画の圧縮フォーマットはMPEG-2 TSで、音声記録は2チャンネルのMPEG-1 Layer2を採用している。HDムービーのほか、最大1920×1080ドットの静止画もHDDとSDカードに記録可能だ。
世界初のフルHDカメラというと、ビデオ撮影ファン向けのセミプロ機、というイメージがあるが、本機には、そうしたマニアックさとは一線を画したフレンドリーさが感じられる。
コンシューマ機のレンジに収まるサイズとデザイン、操作性を備えていて、ビギナーでも手軽にフルHDムービーの撮影が可能だ。もちろんマニュアル撮影機能も充実しており、本格的な撮影にも対応できる。このあたりにビデオカメラの老舗であり、2004年からHDDムービーを手がけてきた同社のノウハウが感じられる。フルHD初号機ながら民生用カメラとしての完成度は高い。
2色のカラーリングを選べるボディには、ビクターらしい工芸品的な質感の高さが感じられる。ボディ内に3CCDと分光プリズムなどを内蔵しているため、水平方向にボリューム感がある。
とはいえ、3CCDのHDカメラとしてはリーズナブルなサイズで、電子ビューファインダーを搭載しながら、高さと厚みは抑えられている。HDD部分がちょうど手になじむデザインでホールド感は良い。手動開閉式のレンズバリアを採用していて、レンズの汚れを気にせずに使えるのもコンシューマ機のツボを押さえた設計だ。
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