撮影したHDムービーは、本機のHDMI端子とアナログコンポーネント端子からテレビに1080インタレース出力できる。
FHDモード1920×1080映像には、腰の据わった解像感が感じられる。1440×1080の映像と比較すると見違えるほどの差はないが、水平解像度が高くなった分だけ、安定感と立体感のある映像になる。これは記録解像度の差と同時に、記録ビットレートの高さと画作りのうまさともいえるだろう。
レンズを絞り込むと、花のマクロや近景の人物などにHDらしい精細感がより感じられる。また、遠景のビルや木立の枝も眠くならない。ビットレートが高いので、噴水の細かい飛翔シーンや、早いカメラパンでも破綻することなく安心して見られる。3CCDのコンシューマー機らしく、色の出は記憶色寄りで、コントラストは高めだ。
リアルな解像感があるだけに木々の緑などは、やや演出過多な印象もあるが、それでもキヤノン「iVIS HV20」やパナソニック「HDC-SD1」と比べると控えめな色演出といえるだろう。
CCDが超小型であるため、室内ではシャドウ部がややざわつくが、明暗レンジは確保されている。レンズが明るいため、ズーム時に暗くなったり増感がきつくなるなどの違和感もない。
スチル用のストロボは装備していないが、高解像度のCCDを活かして静止画もハイレゾだ。最近のデジカメはノイズを抑えるため、色を淡くする傾向があるが、本機の色はスチルもビビッドで、光学10倍ズームと組み合わせるとデジカメにはないスチル撮影の楽しみが味わえるだろう。
HDカメラ全般の特徴として、高い電力を消費するため、撮影を続けているとカメラが熱をもってくる。熱は操作性とともに画質音質にも影響を与える課題だ。といっても、熱くなるのは上下部分で、ホールド部分はそれほど熱を感じない。カメラ内部に放熱特性の良い銅板と肉厚ダイキャストシャーシーが採用されているためだ。このあたりの放熱対策にも苦心の跡が感じられる。
バッテリー残量表示があるので安心して撮れるが、付属の標準バッテリーの持ちは、カタログ値では、液晶モニター使用で約1時間25分(実使用で約45分)とやや短めだ。テストでは、長回しでズーム数回+数分のスタンバイ、というシークエンスを8回繰り返し、合計約1時間20分撮った時点でバッテリーが尽きた。
一日のスナップ撮影には十分だが、長旅や結婚式などの撮影には、オプションの長時間バッテリーやベルト装着タイプの大容量バッテリーが必須になるだろう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス