オープンソース版Javaの開発を目的とする「Apache Harmony」プロジェクトの創設者であるGeir Magnusson氏は米国時間4月10日、Javaの作成者であるSun Microsystemsに対し、同社のJava互換性検査ソフトウェアのライセンス事項をオープンソースプロジェクトが使用できるよう、変更を正式に要請した。
Sunは独自のJavaオープンソースソフトウェアを作成しているが、同社の「Java Compatibility Kit(JCK)」はオープンソース化されていない。Magnusson氏はSunの最高経営責任者(CEO)であるJonathan Schwartz氏に宛てた公開書簡の中で、Javaソフトウェアの中核である「Java Standard Edition」について、「2006年8月以来、ASF(Apache Software Foundation)は、『Java SE』のテストキット用の適切なライセンスをSunから取得しようと試みてきた。Sunの『JCK』ライセンスは、自社のJava市販ビジネスを保護するために、ASFのオープンソフトウェアを犠牲にしている」と記した。
Magnusson氏は、SunのJCKライセンス事項が「Java Community Process(JCP)」の規約に違反すると主張した。JCPは、Javaの新機能開発に関心を持つ団体はこれに基づいて開発を進めるという公式なメカニズムである。同氏によると、具体的には、Sunのライセンス事項は、JCPメンバーを統括する「『Java Specification Participation Agreement(JSPA)』に反している」という。
Magnusson氏は、「JCPは、単一の団体によるこのような市場統制を防止することを目的に設立された。また、Sunはビジネス戦略として、オープンソースの尊重を主要な要素として掲げているにもかかわらず、(Sunのライセンスは)オープンソースの精神にも名称にも反している」と記している。
Magnusson氏は、「JSPAに準拠した適切なライセンスを30日以内に提供すること、それができない場合にはその理由を公的に発表することを望む」と記した。
Magnusson氏によると、映像ストリーミング関連新興企業Joostに務めるためIntel退社した同氏だが、現在もHarmonyにはかかわっているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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