オープンソース版Javaプロジェクトの「Apache Harmony」が、インキュベーション段階を脱し、正式なApacheプロジェクトとなった。
2005年にスタートしたApache Harmonyは、デスクトップシステムを対象とした Javaプラットフォームである「Java Platform Standard Edition(Java SE)」のオープンソースによる実装を目指すプロジェクトだ。
Harmony Project Management Committeeの委員長Geir Magnusson氏は11月14日、約2週間前に行われたApache Software Foundation理事会の投票で、Harmonyをインキュベータからトップレベルプロジェクトへと昇格させることを決定したと述べた。
11月13日にはSun Microsystemsが、GNU General Public License(GPL)バージョン2の下でJava SEなどのコードを公開することを明らかにしている。
Magnusson氏は自身のブログで、SunのJavaオープンソース化計画と並行してHarmonyを続けていくと書いている。
Magnusson氏はブログで「ApacheとSunが持つコミュニティは異なり、ライセンス、貢献の条件、管理モデルも異なる」と述べ、「(SunがJavaをオープンソースにしたことは)われわれの取り組みに変更を与えるものではない。ユーザーや貢献者にとってオープンソース版Javaの選択肢が増えることを意味するだけであり、これは好ましいことだ」としている。
Apacheによると、インキュベータからトップレベルに昇格させるというApacheの決定は、Harmonyが十分なコミッターを集めていることが認められたことであり、これは長期的な安定を示唆するものだという。
2年前にSunにJavaをオープンソースとして公開するよう促したIBMは11月13日、Sunの動きに失望したという内容の声明を発表している。
IBMは声明で、Sunは、新たにオープンソースのJavaプロジェクトを立ち上げるよりも、HarmonyなどのすでにあるApacheプロジェクトにソースコードを貢献するべきだった、と述べている。IBMは、Harmony参加企業の1社でもある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」