ウェブ百科事典「Wikipedia」の創設者であるJimmy Wales氏らが設立したWikiホスティングサービスのWikiaが、日本市場に本格参入する。CGMマーケティングと提携し、広告の掲載もしていく考えだ。
CGMマーケティングは3月30日、Wikiのホスティングサービスを手がける米Wikiaと提携したと発表した。Wikiaのシステム「MediaWiki」を使って作られたWikiサイト「Wikia」の日本における普及促進と広告配信を手がける。
MediaWikiはWikipediaでも利用されているWikiサイト制作システムで、Wikiaはこのシステムを使ったサイトを無償でホスティングしている。3月時点でWikiaのサイトは全世界で約200サイト、1日あたりのアクセス数は250万ページビューある。
Wales氏によれば米Wikiaの売り上げは年率300%の成長を続けているという。「WYSIWYG」と呼ばれる簡単な編集機能や、サイトの投票機能などを近日中に実装する考えで、これによりユーザーの参加を促し、「2007年は今まで以上のスピードで成長する」とWales氏は自信を見せる。
CGMマーケティングは5月にも、ブログやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などのサイト運営者が広告を選択して掲載できる「アドマッチング」と呼ばれるサービスを開始する計画。このシステムをWikiaのサイト運営者も利用できるようにする考えだ。
このほか、Wikiaの日本におけるサービスプロモーションを支援したり、企業にWikiaを使ったコミュニティサイトの開設を提案していく。また、グループ企業が運営する価格.comや食べログ.com、フォートラベルなどとも連携する。
「Wikiaの日本語サイトはまだ37サイトしかない。グループ企業のサービスで口コミ情報を書き込んでくれるユーザーにWikiaの利用を促すなどして、まずは日本語サイトを増やしたい」とCGMマーケティング取締役の小尾一介氏は話している。
CGMマーケティングはデジタルガレージ、電通、サイバー・コミュニケーションズ、アサツー ディケイの4社が共同で2006年8月に設立した企業。ブログやSNSなどのコンシューマージェネレイティッドメディア(CGM)と呼ばれるサイトを活用した広告商品の開発を主な事業としている。
なお、米Wikiaの日本法人設立については、「将来的にはありうると思うが、現時点で決まった計画はない」(Wales氏)とのことだ。
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