こうして誕生した新しいプロジェクトが、「nuco=neuro-extended-communication」(仮称)だ。同社HPのリリースによると、「SNSに時間と空間を加えたもの」で、2006年9月にはプロトタイプが動き始め、現在は、内輪で試運転中の段階だという。ただし、まだ概要だけで、どんなサービス(orシステム)なのか想像することは、難しい。「セカンドライフ」などの大規模なヴァーチャルワールドに近いものなのだろうか?
「いえ、違います。現実世界を拡張するコミュニケーションプラットホームとしての『ソーシャルウェア』をデザインしようと思っているんです。既存の『スケール至上主義』的なSNSは、時間のリレーションの切り取り方が一様にフラットなせいで問題が起きるんです。そこをユーザー自身で制御できる方法が必要だなと」
説明を聞いてもまだ抽象的ではある。しかし、筆者なりに租借すると、「現実社会の関係性を、より正確にトレースし、ビジネスや生活、交友関係のツールとして役立つソフトウェア」らしい。開発予算は数億円、しかも外注なしで、ほぼインハウス(社員20名、うち技術者は5〜6割)で制作している。
「無茶と言えば無茶なんですが、会社設立当初からのスピリッツですね。加えて、宗教的なOS縛りも僕らにはないので、WindowsでもMacでも、Wiiでも利用できます。それと、ほかのミドルウェアを使って開発するとそのソフトウェアの思想に依存してしまうので、リナックスなどのフリーウェアを”ゴリゴリ“チューニングしながら制作していいます」
2006年11月には、以前よりつきあいのあった日本NetApp元社長の鈴木康正氏を代表取締役最高経営責任者として迎え入れ、経営基盤を固めてもいる。
「複雑な計算はできるのに、経営に関する計算にはなぜか向かないんです。というわけで『よろしく』ということで鈴木に入社してもらいました(笑)」
本格稼働は、今年の春。櫻井氏の男のロマンと、キールネットワークスの技術の忰を結集した新サービスは、どうやらリリースされてからのお楽しみ、ということになりそうだ。
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