バイアコムの対YouTube秘密兵器M・サルミ氏、映像戦略を語る

文:Greg Sandoval(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年03月19日 10時34分
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 もしViacomがGoogleのYouTubeと今後も激しい戦いを繰り広げることになれば、Mika Salmi氏がViacomの秘密兵器になるかもしれない。

 Salmi氏には多才な面があり、ロックバンドNine Inch Nailsの発掘に一役買った流行に敏感なビジネスマンであると同時に、ViacomのMTV NetworksでGlobal Digital Mediaプレジデントを務める有能な技術者でもある。同氏はさらに、2006年にMTVに2億ドルで買収されたインターネットビデオおよびゲームのパイオニアであるAtom Entertainmentも創業している。

 Salmi氏は、MTV Music Television、Nickelodeon、Comedy Centralなどを擁するMTV Networksで、Steven Colbert、SpongeBob SquarePants、そしてSouth ParkのCartmanなどタレントやキャラクターのウェブ展開を開始する判断を下している。Viacomは現在、数十万件もの著作権侵害があるとし、10億ドルの賠償を求めてYouTubeを提訴している。YouTubeを回避しながらViacomがインターネットを活用していくための技術戦略を計画しているSalmi氏は、訴訟の舞台裏で重要な役割を果たす可能性がある。

 マンハッタンにあるViacomのオフィスでCNET News.comのインタビューに答えたSalmi氏は、YouTubeとの交渉にはほとんどかかわっておらず、ライセンス契約がうまくいくことを願っているとした。同氏によると、もしうまくいかなくても、MTV NetworksとViacomにとっては全く問題がないはずだという。

 Salmi氏によると、YouTubeやMySpace.comなどの大規模「ポータルサイト」は、特定の分野でユーザーにアピールするニッチサイトに取って代わられるはずだという。Salmi氏によると、MTV Networksは、このような状況での戦い方を熟知しているという。同社は音楽やエンターテイメントのニッチを何十年も前から正確に狙ってきた実績があり、MTV Networksは150カ所以上のウェブサイトと136以上のテレビチャンネルを世界中で展開しているという。

 Salmi氏は、「わたしは入社時に、すべてのテレビ番組やブランドをもっと深く掘り下げ、そのコミュニティーや独自世界を作り出すべきだ、と主張した。(The Colbert Reportを)視聴者が気に入れば、Colbertのサイトをすぐにチェックしてみたいと思うだろう。彼らは、Comedy Centralなどを経由しなくてはならない状況を必ずしも望んでいない。数十あるブランドを数百に増やすべきというのが考え方だ」と語っている。

 41歳のSalmi氏は、レコードレーベルのEMI Groupに在籍した後、1995年にAtomを設立した。Atomが運営するサイトには、ゲームサイトのShockwaveやAddictingGames.com、そして映像サイトのAddictingclips.comや、短編映画に特化したAtomFilmsなどがあった。

 Jupiter ResearchのアナリストTodd Chanko氏は、「彼はネットに短編映像を流すという新分野の発展に大きく貢献した」と述べている。画質やダウンロード速度の低さから他社のほとんどがあきらめた後も、Salmi氏は映像を捨てなかったと、映像共有サイトGrouperの最高経営責任者(CEO)、Josh Felser氏は語っている。

 Grouperを2006年にソニーに売却したFelser氏は、「Mikaはオンライン映像分野で非常に尊敬されている。自分が思い描くビジョンを捨てなかったからだ。彼はドットコムバブル崩壊時の問題をすべて乗り切り、最終的には膨大な額で会社を売却することができた」と語った。

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