ロンドンマッシュアップイベント参加レポート:Web 3.0は何がくる? - (page 2)

文:David Lenehan、Richard MacManus 翻訳校正:吉井美有2007年03月13日 08時00分

 このアイデアは、次のようなものだ。自分がウェブサイトを持っており、このサイトは主にサッカーについてのもので、アダルトコンテンツはなく、子どもにも見せることができ、フランス語で書かれていたとしよう。これら全ての特徴を説明するContent Labelを作成し、これを送って認証してもらうことができるのだ。コンテンツに対して第三者による権威づけが非常に安い料金で提供されて、このコンテンツのラベルがサイトの内容に照らして正確であることが保証されることになる。このことの明らかな利点は、もしこれが広く受け入れられれば、ウェブのコンテンツに関して検証可能かつ一定程度信頼できるメタデータが初めて使えるようになるということだ。検索エンジンはこれを利用したサイトのランキングを行うことができるだろうし、ブラウザは子どもには子どもが閲覧可能なウェブサイトを、フランス語を読む人にはフランス語のサイトを表示する、といったことができる。わたしは、このイベントの後で、Paulと長い時間Content Labelについて話したが、わたしが気づいたContent Labelで可能になるたくさんの使い方や機能については話さなかった。今は自分で完全に納得できるようにしたい。

 それぞれについて現状を見ると、マイクロフォーマットは現時点でFirefoxにサードパーティーが提供するSearch Thresherという名前のプラグインがある段階で、唯一Content Labelのみが形になっている。これが近い将来ほかの主要なブラウザに実装されるという計画はないが、聴衆はこの技術についてノートを取っていた。W3Cはこれを標準として受理しており、MicrosoftがIEのプラグイン整備に興味を示している。

 聴衆からは多くの質問が寄せられた。多くの人はマイクロフォーマットとContent Labelがセマンティックウェブとは何の関係もないと感じていたようだ。浮かび上がった面白い論点は、これらの技術はウェブ上のコンテンツを機械が読めるようにするだけで、機械が理解できるようにはしていないということだ。それこそがウェブセマンティクスの全てなのにもかかわらず。しかし、セマンティックウェブまでの道のりはまだ長く、まず機械に読めるようにしなければ、機械が理解させることはできないのではないだろうか。これらの技術は長い道のりのほんの始まりに過ぎないが、その道程にある重要な一歩だとわたしは思う。わたしはContent Labelが好きだし、自分のサイトでもそれを実装してみたいと考えている。

まとめ

 Tony Fishは最後に話し、わたしに分かる限り、彼はセマンティックウェブの重要性に異議を唱えていた。しかし、彼の話は少しぼやけていて、彼の論点が何だったのかを理解できなかった。

 このマッシュアップイベントは本当に楽しい機会だった。ほとんど喋らない聴衆に向かって話者が語るのではなく、話者が聴衆の吟味にさらされていたからだ。SamとMikeは、このイベントの映像は近いうちにYouTubeに上げられると教えてくれた。あなたがもしロンドンかその近くに住んでいて、またマッシュアップイベントが開催されるようなら、行くべきだ。とてもいい経験になる。

 編集者:ロンドンのウェブイベントを取り上げてくれたDavidに再び感謝する。Davidのレポートを読むのは楽しかったので、今後世界中のどこからでも、ウェブに関する会議やイベントのレポートを掲載するなど、他のゲストブロガーに対してもこの場を開放したいと思う。R/WWの読者にウェブイベントの情報を知らせたいと思う場合は、readwriteweb@gmail.comまでメールで連絡してほしい。

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