検索サービス中国最大手「百度(Baidu=バイドゥ)」を運営するバイドゥの会長兼CEOであるRobin Li氏は3月11日、東京都内で記者団の取材に応じ、すでに参入を表明して準備段階にある日本展開の現状について語った。
国内サイトのサーバに多大な負荷をかけて問題視されている同社のクローラー「Baiduspider」について、「管理者の方々に理解してもらうには時間がかかるだろう」とコメントし、サービス開始が当初予定より遅れる可能性を示唆。一部の中国メディアで報じられていた3月下旬のサービス開始は実現されない可能性も出てきた。
Li氏は記者団に対し、具体的なサービス開始日の発表は行わず、改めて同社の公式発表である「今年中にサービスを開始する」と明言するにとどまった。
Baiduspiderは国内サイトに多大な負荷を与えるクローリングをしているとして、複数のサイトからアクセス制限をかけられている状況にある。これについて同社は、国内サービスを展開する予定のホームページ上で、具体的な負荷軽減策5項目を挙げた謝罪文を掲載済み。
今回の問題に至った理由についてLi氏は「中国でバイドゥは知名度が高く、クローリングに関して特に問題はなかった。日本では昨年からクローリングをはじめたが、負荷が多いことを指摘されたため、日本のサイト管理者に対して説明したいと考え、(その旨の)文章をホームページに載せた」と語り、「公にすることによってアクセス制限は解消しつつある」と、問題解決に向けて一定の成果が出ている状況であるとした。
ただ、本格的なサービスを開始するために重要となる正常なクローリング体制の再開時期については、冒頭のように国内サイト管理者の理解を早期に得るのは難しいとの見方を示し、「そうは言っても検索エンジンとしてコンテンツ(の収集)は一番大切なので、いつ再開できるかまでは言えないが、皆さんのご理解をいただいた上で早い時期に再開したい」と危機感を表わす一方、具体的な再開時期について言及しなかった。
国内における「Google」や「Yahoo! JAPAN」など競合サービスとの差別化については、中国が若年層を中心にエンターテインメント関連のコンテンツに需要があることと比較して、「ネットが普及している日本では30歳以上の需要を徹底的に調べる」とコメント。これを受けての具体的なサービス内容については、「研究段階」として明言を避ける慎重な姿勢を貫いた。
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