HDDに撮影したムービーは、本機単体でDVDにダビングが可能。ダビング中に電源が切れないようにACアダプター接続が必須になる。ACアダプターがやや大型なので、モバイル用の小型アダプターがあれば、さらにフットワーク良く使えるだろう。
こうした制限はあるものの、レコーダーやPCを外付けしなくても、本機単体でDVDダビングまで行えるのは、とても手軽で便利だ。結婚式などを録ったその場でDVDにダビングしてプレゼントする、といった新しい使いこなしもできる。ビジネスのプレゼンテーションにも活用できそうだ。
本機は大容量HDDに対応してダビング機能が強化されている。まず、ソフトウエアの改良で、ダビング速度が前モデルの1.5倍速から2倍速(FINEモード比較)に高速化された。等速記録のDVDカメラではこうした改良は必要ないが、ダビングまでこませる本機では、有効なバージョンアップと言えるだろう。
ダビングモードも4つに増えている。目前モデルでは、全部のシーンをダビングする「まるごとダビング」と、シーンを選択してダビングする「えらんでダビング」のみの採用だった。これに対して本機では「ひにちでダビング」と「はじめてダビング」の2モードが追加された。
「ひにちでダビング」は指定した日に撮った映像だけをダビングする機能。「はじめてダビング」は未ダビングのシーンだけをダビングする機能だ。「はじめてダビング」を使えば、シーンの保存忘れや、同じシーンを重複してダビングしてしまうミスも防げる。前モデルでは本体横の「ダビングボタン」を押すと「まるごとダビング」の画面になったが、本機では上記の4モードのダビング選択画面に移行するしくみだ。
また、再生リスト「ディスクナビゲーション」のシーンサムネイルにはダビング済みのチェックマークが付くようになった。
撮影されたシーンは、日付ごとに1つのタイトルとして扱われ、日付内の各シーンが自動的にチャプター分けされる。チャプターマークを手動で打つことはできないが、シーン分割がチャプターマーク打ち込みになり、シーン結合がチャプターマーク削除になる。
このほか、プレイリストの削除、分割、結合、並び換えも可能だ。作成したプレイリストをDVDにダビングすることもできる。編集精度はGOP(15フレーム)単位になるが、カメラ単体でここまで編集&ダビングができれば一般用途では十分だろう。
USB端子経由によるPC接続もOK。内蔵HDDはUDF2.0形式の読み出し専用ドライブとしてPCに認識され、DVDドライブは読み書きが可能なマルチDVDドライブとして認識される。付属のWindows用ソフト「ImageMixer3」は従来と同じ。Macintosh用は「ImageMixer3 Mac Edition」に統一された。これらを使って、ムービー編集や12cmDVDへのオーサリングなどができる。
撮影画質は、MPEG-2のSD映像としては解像感がある。ディティールを見せている割には、動きによる圧縮ノイズで破綻することはない。色の出は良好だが、ビデオカメラにありがちな過度な記憶色を避けて、ナチュラル寄りの色再現に調整されている。ホワイトバランスは雰囲気を残しつつも白に合わせるという印象だ。
HDDの大容量化という課題を果たし今、残された目標は高解像度化ということになるだろう。とはいえ、トップセールスが物語るように、ユーザーは現状ではハイビジョン画質よりも利便性や新しいアーキテクチャーを支持した、といえそうだ。
ハイブリッド機能が「両方入っているから、とりあえず安心」という保険的な意味合いに留まるのか?それとも「使ってみて、やはり便利!」という積極的な新しさにまで広がるか? は未知数の部分が多いが、高解像度化とともに、さらに便利で親しみやすいアイデアを盛り込んだカメラに進化してほしいと思う。
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