商品検索のエキスパートが精度向上に選んだ「人の目利き」 - (page 3)

インタビュー:永井美智子(編集部) 文:吉澤亨史2007年02月26日 14時43分

――検索エンジンの外販は考えていますか。

Yeogirl:システムを外販する計画はありません。

――日本市場に参入した理由は。

Yeogirl:BECOME JAPANは米国以外で初めての海外展開です。日本は世界第2位の巨大な市場であり、日本でサービスを展開できて、非常にうれしく思っています。

上野:日本では、すでに大手の価格比較サイトがあります。しかし、BECOME JAPANでは価格比較を行う前の、どんな製品があるのか、評判はどうなのかといった情報を効率よく集めることができます。Googleでは、本当に必要な情報を見つけ出すことが難しく、また製品選びから価格比較まで、複数のサイトを行ったり来たりしなければなりません。BECOME JAPANはこれらを一元化しています。それが一番の強みといえるでしょう。

 ビカムのアピールポイントは独自技術にあるのですが、サイトはあえて技術を前面に押し出さず、すっきりしたデザインにしています。これも差別化の工夫なのですが、20代後半から40代の女性を中心ターゲットにしています。

 日本法人のビカムは、Becomeとトランスコスモスのジョイントベンチャーとして2005年9月に設立されました。現在スタッフは40名ほどで、このうち15名がBECOME JAPANの編集スタッフとして、専門知識を持ってサイトをチェックしAIRテクノロジーにフィードバックする作業をしています。また、システム開発は12名おりますが、日本人スタッフは1名のみで、ほかはすべて外国人です。

Yeogirl:日本だけでなく世界から人が集まっていますので、世界で最も優秀な技術者を集められたと思っています。

ビカム ビカムの開発陣。海外のオフィスと間違えそうだが、みな日本で採用した日本法人の社員だという

上野:海外からのスタッフは、ウェブからの応募者からYun氏の厳しいテストと面接をパスした人間です。英国や中国、ウクライナなど国際色豊かになっています。非常に優秀なスタッフで、2006年10月からBECOME JAPANの開発を始め、4カ月で完成させてしまいました。日本語化対応だけでなく、日本独自のカテゴリー分けなどのカスタマイズ部分が多かったのに、この開発期間はすごいと思いました。

――どのくらいの規模にBECOME JAPANを成長させていく計画ですか。

上野:具体的な目標数値はまだ出ていないのですが、まずは100万人のユニークユーザー数を早期に実現したいと思っています。また、取り扱う商品数はカテゴリーごとに異なりますが、まだまだ不足している部分もありますし、洋服などJANコードのない商品にも対応していく必要があります。このような部分も独自技術を使って充実させていけば、それがBECOME JAPANの売りになると考えています。

 日本独自のサービスとして、「保険」「自動車保険」「証券」「クレジット」「ローン」「引越し」「結婚紹介」といったライフスタイル分野の商品の取り扱いも開始しています。さらに今後は旅行や不動産などの情報も提供していきたいですね。

 サイトのプロモーションとしては、まずサイトのSEO(検索エンジン最適化)をきちんとしていく必要があると考えています。

――モバイル版の展開は。

上野:今のところ考えていません。現状のシステムはそのまま携帯電話向けに使用することができませんし、ターゲットとなるユーザー層、年齢層が異なるためです。

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