総務省は2月13日、「ICTベンチャーの人材確保の在り方に関する研究会」の報告書を公表した。
報告書では、ICT(情報通信)ベンチャーが抱える人材確保の問題が企業自身が抱える内部的要因と人材市場が抱える外部的要因に大別され、それぞれの実状と問題点解決のための方策がまとめられた。
内部的要因では、「ICTベンチャーの人材確保のノウハウ不足」を指摘。さらに、(1)成長ステージに応じた採用の判断基準と人材要件の明確化、(2)採用実務、(3)採用した人材の維持・活用――の3点についてのノウハウ不足が挙げられている。
外部的要因として、「人材市場における採用競争の激化」を挙げ、少子高齢化社会がもたらす労働力人口の問題に言及。さらに、大企業との競争の激化や、諸外国に比べ、ハイリスク・ハイリターンとされるICTベンチャーの志望者が圧倒的に少ない日本の人材市場の現状などに触れている。
また同研究会は、これらの問題点を踏まえたうえで、内部的要因を抱えるICTベンチャーの人材確保のための方策として、「ICTベンチャー人材確保ガイドライン」を策定。人材確保の課題を実際の採用プロセスに従い、「採用の判断基準と人材要件の明確化」「採用」「採用した人材の維持・活用」――の3点に大別し、解決策のヒントを提示している。
一方、人材市場自体の問題に対しては、外国からの人材登用や、学術機関において経営・技術双方に精通した人材の育成を図る教育的プログラムを導入することを提言。さらに、「長期履修学生制度」など、ICTベンチャーにおける学生社員の受け入れ制度を推進し、実践的な就労機会の拡大を図り、学生のICTベンチャー志向を高めていくことを奨励している。
同研究会は、2006年6月にICTベンチャーの成長のために必要な人材確保を円滑に進めることを目的に創設された。以降、学識経験者、ベンチャーキャピタル、人材紹介会社、公認会計士などが参加して、ICTベンチャーの創業と、急速な成長を支える人材確保のための課題についての議論が続けられてきた。
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