終身雇用制度の崩壊、離職率の増加、新卒採用マーケットの活況などが話題になっている。そんな中、今回は「社員がやりたい仕事と現実の仕事とのギャップについて」をテーマに調査を実施し、ビジネスパーソンがどの程度現在の仕事に満足しているのか、また、将来のキャリアイメージをどのように持っているのかを調査した。
今回の調査は1月26日〜1月27日で行い、全国1024人の会社員から回答を得た。調査に回答頂いた方役職は会社経営・役員クラスが15.23%、課長クラス以上の管理職が20.70%、一般社員が56.05%、契約社員および派遣社員が3.71%、その他が4.30%だった。また、所属する会社の従業員数は、100人未満が43.46%、100人以上〜500人未満が19.43%、500人以上〜1000人未満が8.50%、1000人以上〜3000人未満が9.38%、3000人以上〜5000人未満が4.69%、5000人以上が14.55%であった。
現在の仕事内容と実際にやりたいと思っている仕事との間にギャップを感じるかについては、「ギャップを感じていない人」が約4割であるのに対して、「ギャップを感じている人」が約6割と、必ずしも今やりたい仕事ができていない現実が伺える結果となった。
また、ギャップを感じているとする人の6割強が、将来のキャリア形成について「明確にイメージしている」もしくは「漠然としたイメージを持っている」と回答している。一方、ギャップを感じない人も、その7割強が自身の将来のキャリア形成について何らかのイメージを持っており、ギャップの有無にかかわらずキャリアイメージを持っている人が多くなっている。
一方、企業内で社員のキャリア形成を支援したり、社員とのコミュニケーションをとるための制度や試みを実施している割合は、全体の約3割に満たない。その内容については「社員への研修・教育・実務経験の場の提供」の71.57%、「上司と部下との間における目標面談の場の設定」の62.88%が大半を占める結果となった。業種別にみると、そのような制度があるのは、全体で約3割弱なのに対し、通信業は7割と非常に高い割合を示し、業種によって社員のキャリア形成支援の取り組みに対して差があることが示唆される。
そうした制度が社内にあるとする人のなかで、社員のモチベーション向上や会社の活発化に効果があるかどうかについては、「とても効果がある」が7.69%、「まあ効果がある」が58.86%と、あわせて6割強がなんらかの効果を感じている。
企業によるキャリア形成支援制度およびコミュニケーションのための試みについて、8割強の人が重要であると考えていることがわかった。また、求められる具体的な制度・仕組みとしては「社員への研修・教育・実務経験の場の提供」「社内におけるキャリアパス制度の明確化・公示など」があげられた。
今後、これらの制度などを社内に導入し、社員が自分の将来像、現在の業務について会社とコミュニケーションをしっかりとっていくことが、現在の仕事とやりたい仕事とのギャップを縮め、活気ある会社づくりにつながっていくであろうことが伺える結果となった。
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