サンフランシスコ発--Sun Microsystemsが、マルチコアプロセッサ「Niagara 2」の派生チップである「Victoria Falls」(開発コード名)の設計を完成した。Victoria Fallsは、Niagara 2チップを2基搭載するサーバ向けチップ。Sunは、2008年前半にVictoria Falls搭載モデルの出荷を開始することを予定している。
Sunは、チップデザインで精彩を欠いていた時期が数年間続いたが、その後、各シリコンに多くのプロセッシングエンジンを詰め込むマルチコアチップでプロセッサ戦略の改革を図った。8個のプロセッサコアを搭載した初代Niagara(正式名:UltraSPARC T1)は1年前から販売されている。
Sunによると、Niagara 2は2007年後半にサーバに搭載して出荷を開始する予定だという。しかし、同社は米国時間2月6日、当地で開催のSun Analyst Summit 2007で、デュアルプロセッササーバ向けにVictoria Fallsバリエーションの計画を正式に発表し、同チップを使った高さ1.75インチ(約4.5cm)のプロトタイプサーバを披露した。
Sunのシステム担当エグゼクティブバイスプレジデントであるJohn Fowler氏は、「(半導体メーカーのTexas Instrumentsから)シリコンが戻ってきて、現在、Sunの研究所内では、Victoria Falls搭載システムがフルスピード、フル性能で稼動している」と述べ、さらに「2008年(暦年)前半に、Victoria Fallsを搭載した製品を発売する」と付け加えた。
Sunの新型SPARCシステムはある程度の成功を収めた。同製品は、過去3四半期の各四半期に1億ドル以上もの売り上げを記録した。これは、業績だけでなく、最先端の設計者としての名声の回復も目指す同社にとっては重要なことだ。
Sunの元SPARCサーバ担当チーフで、現在は同社のストレージ事業の責任者を務めるDavid Yen氏は2005年に、Sunは複数のNiagaraプロセッサを搭載したシステムの開発を計画していると語っていた。しかし、同社は1年以上に渡り、その構想について沈黙を守ってきた。
Sunによると、旧世代の「UltraSPARC IIIi」チップ搭載サーバと比較した場合、初代Niagaraシステムの性能はその14倍、Niagara 2チップを1基搭載したシステムの性能は35倍、さらにVictoria Fallsを搭載したシステムの性能は65倍になるという。
Sunは、「スループット」に換算して性能を測定する。スループットとは、システムが一定時間内に処理できるトランザクション数を指す。Niagaraチップは、8個のコアがそれぞれ、スレッドと呼ばれる命令シーケンスを同時に4つ処理できるよう設計されている。
それに対しNiagara 2は、1コア当たり8つのスレッド、1チップ当たりでは64のスレッドの実行が可能だ。Victoria Falls搭載システムの場合、高さ1.75インチのサーバ1台当たり128のスレッドの実行が可能であり、さらにラック内に複数のサーバを収納すれば5000以上のスレッドの実行が可能だ、とFowler氏は語る。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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