ワシントン発--Googleの最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏が想像する、悪夢のインターネット将来像とは次のようなものである。膨大な数の人々がますますオンライン接続するようになるにつれ、個人情報が悪用されることに「過度に敏感な」権力者らが、ウェブを厳格な規制で抑圧し、息がつまるような世界だ。
Schmidt氏は、当地で開催されたCarnegie Endowment for International Peace主催の昼食会における基調講演で、上述のような「好ましくない」世界では、一部の企業がゲートキーパーとなっており、本人確認を基本とした「厳格な管理」の下でインターネットを利用することをユーザーに強制すると述べた。
Schmidt氏は、将来のゲートキーパーらを指して「登記官は本人確認を求める」といい、「彼らには真実を述べなければならない」と述べた。
Schmidt氏は、インターネットが上述の悪夢の世界ではなく、人々やコミュニティーが自治していく方向へと進んでいくだろうと、自分は楽観的に考えていると述べた。しかし、「真の匿名性というのは極めてまれであり、非常に危険である可能性がある」ことは認めた。そのため、中間をとった「誰を対象としているのかがわかる程度に十分な隔離性」が提供された世界というのも考えられるという。
30分ほどのたわいのないカジュアルな講演の中で、Schmidt氏は、インターネットの範囲がますます拡大していく中でグローバルに活躍する主導者らが今後も直面し続けるであろう課題についても言及した。
例えば、プライバシーやセキュリティに関する問題以外に、「言論の自由はどこからどこまで認められるのかを定める必要がある」と同氏は述べた。ドイツやフランスはナチス賛成論を法律で禁じており、ブラジルなどでは人種差別主義的な発言を好ましく思わず、インドではMahatma Gandhiなど国家の象徴である人物への冒涜は犯罪になることを同氏は挙げ、そのような国々では緊張が高まる可能性があることを指摘した。
従来はメディアの報道を規制してきた国々でも、国民がオンライン接続するだけで政府が国民に真実を伝えていなかったことを知ってしまうという新しい能力に対処しなければならないかもしれない。
究極的にオンラインコミュニティーは、国家という統制構造を定義する従来の国境を取り除いてしまう可能性さえあるのだとSchmidt氏は述べた。
「MySpaceの会員が10億人に達すれば、MySpace独自の政府ができるのだろうか?」とSchmidt氏は述べた。「10億人が集まれば独自の国を作ってもよいという規則がどこかにあるだろうか?私は聞いたことがない。ここでは皆さんがこのような問題について議論するきっかけになればと思うだけだ」(Schmidt氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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