ソフトウェアの突然変異:ミッシングリンクを予見する(後編) - (page 3)

文:John Milan 翻訳校正:吉井美有2007年02月06日 14時35分

最後に残る勝者は?

 インターネットは、より便利で実益に結びついた選択肢をわれわれに提供している。人々は、自分の持っているデータに今以上にアクセスしたいし、アプリケーションを統合したいと考えている。モバイルデバイスは特殊化の方向を推し進め、それぞれの文脈に応じてデータを断片化して取り込んでいる。この不協和音を解決するのが「Babel Fish」のようなアプリケーションだ。その結果何が起こるのだろうか。1つの考え方で全てを扱おうとする現在のアプリケーションは、複数のパーツから構成される目的特化型のソリューションに淘汰されつつある。間もなく、Joel Spolskyが書いたように、データはアプリケーション間を自由に行き来するようになり、特定のアプリケーションが持つ生態系の大きさはもはや障壁(やロックイン)ではなく、ソリューションの効率が生き残りの基盤となる。

 実際問題として、最適のソリューション形成はもはや一企業の活動範囲を超えているのかもしれない。さまざまな組み合わせが何度か繰り返されるうちに、何らかの遺伝的アルゴリズムのようなものが実際に育ってくる可能性もある。企業は、契約条件が顧客囲い込みの新しい手段になるにつれて、新しい独自フォーマットを作り上げるよりも全ての組み合わせの可能性を試すのに時間を使うようになるかもしれない。Motorolaの「iTunes phone」が失敗し、「iPohne」が再び登場するまでに1年もかかったのはなぜだろうか?単なる技術の問題ではないのだ。

 今後の企業間の使用許諾、契約や合意条件は複雑なものになるだろう。だが、あなたの会社に法律部門がなかったとしても、ソリューションを欲する顧客がいれば新たに契約を結んで売り上げをあげるチャンスがこれまで以上に生まれるだろう。次世代ソリューションの全てのピース(インターネット接続、オープンソースデータ相互運用性、モビリティ、有用性)を作ろうとすることも可能だろうが、十分なものを作るのは大企業にとってさえ難しいだろう。その代わりに、交配技術を駆使して最適の組み合わせを作ることもできる。

 この素晴らしい新世界の最後の勝者はどんな特性を備えているのだろうか。データ要件の絞り込みができ、システムを交差して結果を移動させることができ、仕事に最も必要な材料を使うことができて、しかもデータを人間が扱えるレベルにとどめておけるものだろう。

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