Adobe Systemsは米国時間1月16日、最新の「Flash Player 9」のLinux向けバージョンを予定通りにリリースした。同ソフトウェアを利用すれば、ウェブブラウザでYouTubeの動画やアニメーション広告などのマルチメディア情報を閲覧できる。
Flash Playerは、Linuxを搭載したコンピュータが「Windows」や「Mac OS X」と競争するために不可欠な機能の1つだ。Adobeは、WindowsとMac向けのバージョン9を2006年11月にリリースしている。Adobeが17日に語ったところによると、最新のFlash Playerは、Red HatとNovellの2大Linuxディストリビューターのソフトウェアとともにも提供されるという。
Flash Playerそのものはプロプライエタリソフトウェアだが、Adobeは重要なコンポーネントである「ActionScript Virtual Machine」をオープンソースにしている。ActionScript Virtual Machineは、ウェブページでJavaScriptプログラムを実行する機能を果たすエンジンで、ウェブブラウザの「Firefox」を開発するMozilla Foundationが「Tamarin」という名称でこのプロジェクトを進めている。
JavaScriptエンジンは重要なコンポーネントだが、Adobeのプラットフォーム製品マーケティング担当ディレクター、Pam Deziel氏によると、グラフィックレンダリング、ネットワーク、メディア処理エンジンなどのFlash Playerの他のコンポーネントはオープンソースとして公開していないという。「いまのところ、これ以上のコンポーネントをオープンソースにする計画はない」とDeziel氏は述べた。
Red Hatは、Flash Player 9を含んだ「Red Hat Enterprise Linux 5」の提供を2月28日に開始する。Novellは、「Novell SUSE Linux Enterprise Desktop 10」のService Pack 1で、Flash Player 9と「Fifefox 2.0」を搭載するという。
Linux向けのFlash Playerとしてはバージョン7があったが、Flashを開発していたMacromediaを買収したAdobeはLinux向けにバージョン8を出すことを見送った。Flash Player 9は、プログラムを高速に実行するための機能やテキスト機能、ActionScript 3をサポートしている。
ただし、Linux版は、フルスクリーンモードや自動アップデートなど、一部の機能をサポートしていない。またFirefoxやMozilla、Seamonkeyのブラウザをサポートしているが、Opera、Konqueror、Netscapeのブラウザ上では動作が不安定になるとAdobeは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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