NTTドコモグループ、KDDIおよび沖縄セルラー、ソフトバンクモバイルは1月10日、「緊急通報位置通知」を4月1日以降に順次導入すると発表した。
緊急通報位置通知は、携帯電話から緊急通報が発信された際、通話が接続された緊急通報受理機関に対して、発信された場所に関する情報を、各電話会社から自動的に通知するシステム。総務省が携帯電話事業者に対し、4月から携帯電話などからの緊急通報の際、発信者の位置情報通知を義務化することを受け、4月1日以降の導入に至った。
緊急通報受理機関は、110番の警察機関、118番の海上保安庁、および119番の消防機関が対象。緊急通報位置通知の導入には、接続先となる緊急通報受理機関が、位置情報を受信できるシステムを導入する必要があり、対象地域は4月1日以降、順次拡大する予定。
4月1日から導入を予定しているのは、110番が北海道網走支庁管内、島しょ部の一部を除く東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、奈良県。118番が全国。119番は現在調整中となっている。
位置情報の通知は、緊急通報を行う状況によって異なり、GPSを使った緊急通報位置通知に対応する機種の場合、「GPS測位情報」を通知する。それ以外の機種では、緊急通報時の基地局の住所や電波到達範囲等から算出する「基地局情報」を位置情報として通知する。ただし、この場合の位置情報の精度は数百mから1万m程度となり、遠方の基地局電波を受信した場合などは、実際の位置と異なった通知となる場合がある。
また、電話番号に184を付加する非通知にて緊急通報番号を発信した場合、緊急通報受理機関に位置情報が通知されることはない。ただし、緊急通報受理機関が人の生命などに差し迫った危険があると判断した場合には、発信者の位置情報を取得する場合があるとしている。
なお、携帯電話会社3社は、緊急通報受理機関において位置情報を受信できるシステムが導入された後でも、発信場所や電波の受信状況により、正確な位置を確認できない場合を想定し、必ず口頭で発信場所や目標物などを伝えることを勧めている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」