こういった例は、Web 2.0のコンセプトの基本原則を表している。最初の3つの例で注目すべき点は、自らが持つ機能をWebサービス経由でシームレスにほかのWebアプリケーションに統合できるようにしていることだ。このことが、コンポーネントごとに分化させることで緩やかに結びつくというウェブの特質をより巧みに活用している。
コラボレーションを進め、コンテンツ作成をユーザーの手に委ねているもう1つの格好の例が「ブログ」だ。ブログは、オンライン日記の作成と管理を行うための簡単なツールから、ウェブ上で情報を配信するための成熟したシステムへと進化した。
Web 2.0の重要な特色であるコラボレーションとコミュニティーだが、Web 2.0への進化を追いかけるように盛んになっているオープンソースとフリーソフトウェアのムーブメントにおいても、この2つは重要な側面だといえる。オープンソースでは、開発者のコミュニティーが一体となってソフトウェアの制作と改良に取り組む。また、オープンソースコミュニティーの規模が大きく、そのソフトウェアに注目する人や作業を手がける人が多いおかげで、問題があっても速やかに発見され、バグも少なくなる。
Web 2.0の流れから現れたテクノロジまたはアプローチのもう1つの例は、「Ajax」というリッチなクライアントインターフェースを作るためのアプローチ法だ。Ajaxでは、強力なウェブアプリケーションを開発するうえで長年使われてきた、実績あるテクノロジ(「JavaScript」や「XML」)を活用している。
ここに挙げたアプリケーションやテクノロジは現在利用できるものから選んだにすぎないが、Web 2.0のモデルを採用したアプリケーションから将来どのようなものが出現するかを考えるヒントになるはずだ。
Web 2.0のコンセプトがわれわれになじみ深いものになってからしばらく経つことから、当然次は何が現れるのかという疑問が浮かぶ。次のバージョンをWeb 3.0と呼ぶのは当然の選択であり、すでに多少は取りざたされている。では、次のバージョンによって何がもたらされるのだろうか。おそらく主要なコンセプトになるのは、テクノロジをもっと利用しやすくすること、常時進行、常時関与の概念を追求すること、そして、ウェブ上に置かれる増加するいっぽうの個人情報に関して、プライバシー保護の必要性に応えることだろう。
ウェブそのものに対して公式のリリースナンバーが付けられているわけではなく、コミュニティーが一緒になってウェブに発展段階に応じた番号をつけてきた。ウェブの始まりは、情報配信が主要なコンセプトだったWeb 1.0だ。それが、ユーザーの関与を重視するWeb 2.0へと進化した。では、急速な進化を続けるウェブは、次にはどんな姿を現わしてくれるのだろうか。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果