目的はネットユーザー保護--Vista搭載「Windows Security Center」への期待と疑問

文:Joris Evers(CNET News.com) 翻訳校正:DNAメディア2006年12月21日 16時50分
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 Microsoftは、「Windows Vista」のセキュリティ機能を、コンシューマーのオンラインでの安全を確保する手段として大きく宣伝している。しかし、この機能のメリットを別のところに見出している人々が存在する。

 Microsoftは「Windows Security Center」の利用を呼び掛けている。これは、長らく待たれてきた同社の新しいOS、Windows Vistaに含まれる機能だ。この機能をウェブサイトやサードパーティー製のソフトウェアプログラムが利用すると、ユーザーのコンピュータのセキュリティ状態を判定できる。Microsoftは、「Windows Security Centerを使って、十分に保護されていないコンピュータをオンラインサービスにアクセスできないようにすることが、最終的にはユーザーの安全に寄与することになる」と説明する。

 同社Trustworthy ComputingグループのディレクターAdrien Robinson氏は次のように語る。「例えばオンラインショップで買い物をする場合、クレジットカード情報を入力する前に、そのサイトがユーザーのコンピュータをチェックする。セキュリティが最新の状態であれば、それを示す緑のマークを表示する。自分のコンピュータのセキュリティ状態を把握する人が増えれば、オンラインユーザーの安全性もそれだけ高まる、というわけだ」

 Microsoftは現在、銀行やオンライン小売企業に対して、PCセキュリティチェックの有効性を積極的にアピールしている。2004年8月に公開された「Windows XP Service Pack 2(SP2)」で初めて登場したこの機能について、Microsoftはこれまで、それほど多くを語ってこなかった。「この機能に関する業界への働きかけは、SP2のときよりもずっと強い」とRobinson氏は言う。Windows Vistaは、2007年1月に一般発売される予定。

 Microsoftの目標を崇高なものとしてたたえる人々もいるが、その一方で、コンシューマー向けウェブサイトやオンラインサービスの多くはPCセキュリティチェックを導入しないだろうとの見方もある。Microsoftの独自調査によれば、最新のウイルス対策ソフトウェアを適用していないコンシューマーは全体の70%を占めるという。この数字は、ビジネスで失うかもしれない顧客数としては多過ぎる、と複数のアナリストが指摘している。

 「最新のセキュリティソフトウェアを持たないことを理由に、コンシューマーとの関係を終わらせようとする企業がいるだろうか」とForrester ResearchのアナリストNatalie Lambert氏は語った。また、ウェブサイトがPCのチェックを開始するということで、プライバシー侵害のにおいを感じたコンシューマーが離れていく可能性もある。

 その上、セキュリティチェックではIDの盗難などの犯罪は防げない、とGartnerのアナリストJohn Pescatore氏は指摘する。「悪者が私になりすましてコンピュータを使ったとしても、Windowsはウェブサイトに『このユーザーはウイルス対策ソフトウェアを実行しています』と告げるだけだ。いったい何の利点があるのというのだろう?」と同氏は問う。「オンラインバンクもAmazon.comも、顧客がウイルス対策ソフトウェアを実行しているかどうかなど、まったく気にしていない」(Pescatore氏)

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