Yahooは米国時間12月15日夜、メール初期設定をユーザーの許可なく変更されてしまうという、「Yahoo Messenger」最新版に存在したバグを修正したことを明らかにした。
しかし、パッチの十分なテストが終わるまでは顧客に同ソフトウェアのアップデートを推奨しないと、Yahooの広報担当Terrell Karlsten氏は述べる。
同氏は、「意図した通りに動作するようになるまでパッチのテストを続ける」と述べている。
米国時間12月15日のリリースされたYahoo Messenger 8.1は当初、ユーザーのシステムトレイに「Yahoo Mail」アイコンを自動的にインストールし、ユーザーのデフォルトメール設定を「Yahoo Mail」に変更してしまう問題を含んでいたと、Karlsten氏は語っている。
Yahooは、(11月2日以前に配布された同社のIMサービスにセキュリティ上の問題が存在したため)世界中の7300万人のユーザーに対し、最新版ソフトウェアをダウンロードするよう呼びかけた。同バージョンでは、チャット機能のほかに、無償もしくは低価格でPC間の通話を実現することが可能になっている。
Yahooによると、同アップデートでは安定性と信頼性が向上し、セキュリティも改善されているという。以前のソフトウェアには、Microsoftの「Internet Explorer」などのアプリケーションをクラッシュさせたり、ユーザーがログアウトさせられてしまうセキュリティ上の問題があったと、Karlsten氏は述べている。同氏によると、新バージョンはこの問題を修正し、「Windows Live Messenger」との相互接続といった新機能も搭載しているという。
「われわれがパッケージ化や各種バンドルを行うのは、セキュリティアップデートや、素晴らしい新機能の含まれる最新バージョンをユーザーに提供するためだ」とKarlsten氏は述べている。
同ソフトウェアは、デフォルトでユーザーのウェブブラウザに「Yahoo Toolbar」をインストールし、デフォルトのホームページや検索の設定を「yahoo.com」に変更する。15日に公開された当初のアップデートでは「オプション」でインストールの内容を変更し、これらのデフォルト設定を解除することができた。しかし、「Yahoo Mail」アイコンがシステムトレイに登録され、デフォルトメール設定が「Yahoo Mail」に変更されてしまうのを解除することはできなかった。
YahooのKarlsten氏によると、エンジニアリングチームはこのYahoo Mailの問題を認識しておらず、パッチの開発に取り組んだという。ただ同氏は、この問題は既存ユーザーの一部にしか影響しない、としている。同氏はさらに、Yahoo Messengerで提供されるすべての機能をユーザーが望んでいるとは限らないことも認識しており、ユーザーがインストレーションをカスタマイズできるようにしているのもそのためだと加えた。同氏は、「ユーザーに選択肢を提供できるように確実を期した」、と述べている。
さらに、Yahooの今回の変更が原因でMicrosoftの「Internet Explorer 6.0」がクラッシュするという問題も起きている。
Yahoo MessengerはIE 7以前の各バージョンと互換性があるはずだとしたうえで、問題はまだ調査中だとKarlsten氏は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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