Hewlett-Packard(HP)の最高経営責任者(CEO)であるMark Hurd氏が、同社が社員や幹部役員、ジャーナリストに対してスパイ行為を行ったと認める前に、HPの株式を売却した件について、米連邦議会の議員2人が説明を求めている。
ミシガン州選出の民主党下院議員であるBart Stupak氏とJohn Dingell氏は米国時間12月12日、Hurd氏に書簡を送り、2006年8月25日に140万ドル相当のストックオプションを売却した理由を尋ねた。Hurd氏はこの日、HPの弁護士から、同社が行った情報漏えい調査に関して質問を受けていた。
両議員は書簡の中で、Hurd氏の株式売却は事前に予定されていたものとは考えられないと指摘している。企業幹部が株式を売却する場合は事前にその手はずを整えておくのが一般的で、売却の時期もパターン化していることが多い。
「8月25日の株式売却が、以前から計画されていた取り引きの一環であるとは考えにくい。チャートを見れば、Hurd氏がオプション権を行使した日にこれを現金化したことがわかる」と、書簡には記されていた。
Dingell氏とStupak氏は、米下院エネルギー/商業委員会の監視および調査小委員会に属している。同小委員会は9月、HPの内部調査に関して公聴会を開いた。Hurd氏も複数の関係者とともに、この公聴会に召還された。
HPは、社内の情報リーク源を突き止めるため、ジャーナリストや同社の役員および社員のプライベートな通話記録を取得したことを認めている。
Hurd氏は9月の公聴会で、HPの調査員が使用した調査方法の大半を容認したが、プリテキスティングと呼ばれる手法が用いられたことは事前に知らなかったと証言した。他人になりすまして通話記録などの情報を入手する手法。
HPの情報漏えい調査に関係した5名の人物はそれぞれ、ID窃盗や共謀といった4件の重罪で告発されている。Hurd氏は、告発の対象になっていない。
HPの関係者は、Hurd氏が株式を売却した時期についての詳細な質問には答えず、「その件は新たに表面化した問題ではない。われわれは委員会の調査に喜んで応じるつもりだ」とだけ話した。
ただしHPは、同様のインサイダー取引疑惑を巡って株主らが11月に起こした訴訟に関しては、「根拠がない」と反論している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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