標準モードの起動は約1分とスローな印象だが、高速起動をオンにすると約20秒で起動する。BD-ROMビデオの再生では、再生用のアプリケーションをロードするためか、再生準備に初回で約1分15秒、次回で約30秒かかった。PlayStation3(以下PS3)のBD-ROM再生レスポンスが良かっただけに、このあたりはもどかしく感じられた。とはいえ、起動してしまえば操作は快適だ。同社の薄型テレビなどでおなじみの操作画面、XMB(クロスメディアバー)を採用し、高速な操作ができる。
本機は、2基の3デジタルチューナーと1基のアナログチューナー、1基のMPEG-2エンコーダーを搭載し、「録画1」と「録画2」でデジタル×デジタル、デジタル×アナログのダブル録画が可能だ。 TS録画中心ということで、MPEG-2エンコーダーを1基に割り切ったのは致し方ないと思うが、ダブル予約機能には改善の余地を感じる。
EPGで予約が重複した際に、録画1から録画2へと録画先が自動的に割り振られず、マニュアルで録画先を修正する必要があるのは親切とはいえないだろう。また、予約の取捨選択画面もなく、予約が3つ以上重複した時に、取捨選択画面へナビゲートされない点もフレンドリーではない。同社のデジタルレコーダー「スゴ録 RDR-HX92W」には、ダブル予約の自動割り当てと重複予約の取捨選択機能が搭載されていたことを考えると、優れた先例を継承してほしかった。
また、録画2での録画時に、追いかけ再生やBD-ROMビデオの再生が不可になる制限も理解しておく必要があるだろう。HDD→BD高速ダビング時の制限は比較的緩くて、録画再生は不可だが、デジタル放送の視聴(アナログ放送の視聴は不可)やEPG予約、タイトル消去などが可能。HDD→BDレート変換ダビング時にはデジタル放送のマニュアル録画も可能になるなど、動作状態によって制限が微妙に異なる点にも慣れが必要だ。
こうした課題はあるものの、スゴ録のユニークな機能を継承しているのが魅力といえる。ユーザーの好みを学習して自動録画する「x-おまかせ・まる録」やダブル録画でも有効な「番組追跡」「スポーツ延長」録画機能など、スゴ録のお家芸は健在だ。瞬時に結果の出る「瞬間番組検索」にも番組データベースのノウハウが感じられる。
さらに、最近のハイビジョン・スゴ録で採用された「ダイジェスト再生」も重宝する機能だ。PSP(プレイステーション・ポータブル)と連携できる「おでかけ・おかえり転送」機能もPSPユーザーなら使える機能だ。
ネット機能は、リアルタイムの「携帯電話予約」のほか、DLNA(DTCP-IP)にも対応し、HD映像対応のホームサーバーとしても機能する。HD映像の配信は有線LANケーブル経由になるが、DLNAに対応した同社のテレビ「BRAVIA」や、PC「VAIO」のネットワークメディアレシーバールームリンクなどのユーザーなら便利だろう。
録画には直接関係ないが、BGMとエフェクト付きの静止画スライドショー「x-Pict Story HD」やスチルとムービーをアルバム化できる「x-ScrapBooK」などの付加機能も楽しい。
i.LINKは、HDV1080i/DV入力のみで、TS入力に対応していない点がなんとも残念だが、DV/HDVカメラと連携できる。後述するように編集機能が比較的高いので、HDVカメラユーザーには使える端子といえるだろう。なお、AVCHD規格のディスクも再生可能となっている。
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