カスペルスキー インターネット セキュリティ 6.0(以下、カスペルスキー6.0)は、今まで使用してきたパソコンの、セキュリティソフトウェアを再検討するに値するソフトウェアだ。以前から欧米では知名度の高い総合セキュリティソフトで、すでに数々のウイルス対策ソフトにOEM提供されているのだが、今回本格的に、最新版が国内発売された。
「コンピュータウイルス」自体が日本に上陸したのは20年ほど前だが、当時のウイルス対策ソフトの定義ファイルの更新は、「月1回」が普通だった。更新ファイルは毎月フロッピーディスクで郵送されてきていたのだ。それが、インターネットの普及によって「毎週」へと更新間隔が短縮され、今では「毎日」更新されることが当たり前になった。
今回取り上げるカスペルスキー6.0に至っては、「約1時間に1回」に定義ファイルが更新されている。読者のなかには、「そこまで更新間隔が短い定義ファイルが、はたして必要なのか?」と思われる方もいるだろう。しかし、カスペルスキー6.0が情報セキュリティの確保を貪欲なまでに追求している姿が、この更新頻度ひとつとっても現れている。というのも、この更新間隔の短さが、ウイルス対策にはもっとも威力を発揮するからだ。
昨今、新種のウイルスが登場してから、それを改造した亜種が作られるまでの時間は、非常に短い。新種ウイルスに対応した定義ファイルがいったんユーザーに届いたあとも、まだ対策がなされていない亜種が次々作られ、インターネットで拡散していく。そこで大切なのが、定義ファイルを更新する間隔となるのだ。
現実問題、半日から1日単位の定義ファイルの更新では、利用者のパソコンに亜種が感染する可能性がある。そこで、カスペルスキー6.0は、更新間隔を短くする方針を採用したのである。これは更新処理の画面に表示されている定義ファイルの発行日付からも確認できる。
定義ファイルの更新日付 | 定義ファイルの更新間隔 |
---|---|
11月27日4時22分 | − |
11月27日5時26分 | 64分 |
11月27日6時27分 | 61分 |
ただし、定義ファイルの更新間隔が短い分、ネットワーク環境に応じた設定が求められる。カスペルスキー6.0では、更新間隔を時間、分刻みで設定することができる。たとえば、インターネットに常時接続していて、リアルタイムのセキュリティ対策を求めるパワーユーザーなら更新間隔を「20分」「45分」など短く設定できるし、モバイル環境やダイヤルアップ環境のユーザーなら、更新間隔を「手動」にすれば、作業の利便性を妨げることもない。
ダウンロードされる定義ファイルも、カスペルスキー6.0のソフト自体の設計が功を奏しているのか、一般的なウイルス対策ソフトと比べてきわめてサイズが小さく、更新作業といってもほとんど意識することはないだろう。
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