インテルなど3社は12月7日、都内で会見し、非接触型ICカードを利用した電子マネー「Edy」の普及に向けた取り組みについて中間報告を行った。今後、複数の決済代行事業者でのEdy対応がほぼ確定。これを受け、2007年春までに対応サイト数が1万サイトを超える見通しであると、当初の目標値3000サイトを3倍以上に上方修正した。
ただ、対応サイト数増加が見込める一方で、Edyのネット取扱高(非公表=全取扱高の大部分を占める実店舗での取扱高も含めれば年間数千億円と見られる)に関する目標値は据え置いた。3社が利用拡大のカギになると見ているEdyの情報読み取り機能を搭載したPCの普及が、当初予定よりも遅れているためだ。次世代基本ソフト「Windows Vista」の出荷が年末商戦に間に合わなかったことが一因と見られる。
インテル、ビットワレット、マイクロソフトが2006年6月に「スマートデジタルライフ推進プロジェクト」を発表した当初、非接触型ICカードの情報読み取り機能を搭載したPCおよび外付けの読み取り機は、1年で3倍の出荷数になる計画だった。それが半年後の現在、目標値の25%にとどまっている。
Windows Vista搭載機では、非接触型ICカードの情報読み取り機能を内蔵し、デスクトップ上で初心者でも簡単に「Edy」を利用できるサービスを提案することなどができる。ただ、1年で最大の需要期となる年末商戦にWindows Vista搭載機が出荷できなかったため、これを軸としたEdyの販促活動ができない状況になった。
これに加えて実店舗でシニア層がEdyを使う傾向があるという独自の調査結果を受け、シニア層に向けたPC提案の販促活動兼実証実験を、12月8日から3カ月間行うこととなった。
これについてマイクロソフト戦略技術室室長の佐野勝大氏は「(Windows Vistaの出荷延期がPC)メーカーの(読み取り機能内蔵に関する)スケジュール面に影響を及ぼした」と認める一方、「読み取り機能を搭載するには時間がかかる」と、スケジュール的にPCメーカーの対応が難しかったとの見解も示した。
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