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ベンチャーは与えられたルールを壊してこそ成功する - (page 2)

永井美智子(編集部)2006年12月06日 13時30分
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勝屋:それで事業を始められたと。

瀬戸:いや、でもそれでは絶対無理だと思ったんです。そもそもこういう商売で一番ニーズが強いのは大企業ではなくて中小企業なんですよね。中小企業は情報弱者なので、インターネットを活用していますし、そこに売っていかなければいけないと思ったんです。

 ただ、中小企業はそれぞれの購買量が多いわけではないので、多くの企業を集めなくてはいけない。顧客獲得単価などを考えていくと、30億円くらいはかかると思ったんです。でも、創業から3カ月後に「30億円貸してください」と言っても無理な話だったわけです。そこで、ほかの会社に出資をしてもらってもいいかと住友商事とGraingerに掛け合いました。ほかにも興味を示してくれる会社があったらもう一度考えてくれと。そして2000年の12月から、毎日のように何社もVCを回りました。ことごとく断られましたけどね(笑)

勝屋:時期も悪かったですからね。

MonotaRO代表執行役社長の瀬戸欣哉氏

瀬戸:そうですね。40〜50社は行ったと思いますが全部駄目で、最終的にワークス・キャピタルの前身であるウィットジャパン・インベストメントの宮島(正敬)さんが「面白いかもね」と言ってくれたんです。

 ただ、その時に宮島さんがひとつだけ条件を出したんです。どこかインダストリアル・パートナーで興味があるところを連れて来られたら30億円のうちの何割かは出すと。それで不思議なことに、外資系のVCは自社がリードインベスターにならないと嫌がるんですが、日本のVCはどこかがやったと聞くとやるんですね(笑)。そんなこともあって、1社が決まってからは早かったです。住友商事とGraingerもこれはいけるのかなと思ってくれて、最終的にはかなりの出資をしてくれました。

勝屋:本間さんとの出会いはいつ頃だったんですか。

瀬戸:投資が決まってしばらくしてから、当社の担当者ということで会いました。2003年くらいですかね。

 本間さんは「こんな面白い話があるんですがどうですか」といったように、いろんな話を持ってきてくれるんですよ。私は新しい情報に関してそんなにアンテナを張っているタイプではないので、本間さんの話はさまざまなことを考えるきっかけになりました。いろんな人も紹介してくれましたし。だから一般的なVCというイメージではなかったです。

勝屋:本間さんから見て瀬戸さんの最初の印象はどんな感じでしたか。

本間:2001年に投資をしてまだ5年程度ですが、調達した30億円を使い切って売り上げを70億円近い水準にまで持ってくるベンチャーというのは、私の知る限りほとんどない。そこがまずユニークです。

 それから私個人の瀬戸さんに関する印象なんですが、経営者としてかなり完成されているタイプだと思いました。なかなかうまくいかない経営者には、自分がやることに迷ってしまったり、いろんなことに手を出してしまったりするタイプの人が多いです。逆にこれしかやらないと言い張って、柔軟性が下がるタイプの経営者も同じようにうまくいきません。

 ところが瀬戸さんは、頭を使わなくてはいけない部分と、決めたんだから身体を動かさなきゃいけない部分、そのあたりのバランスが抜群に良い社長で、最初に会った時からその印象は変わらないですね。

 前任の宮島ともよく話をしましたが、このビジネスはそんなに派手で面白いというわけではないんですよね。でも瀬戸さんはそれを細部まで考えてやっているんです。例えば、スパナ1本をどれくらいの値段で仕入れられて、それを在庫で持つとどれくらいのコストがかかって、1回買った人が3カ月以内に何%くらいまた購買してるのかというようなことを、チャートを作って、経営を科学してるんです。そういう徹底の仕方がプロだなと思いました。

ワークス・キャピタル シニアマネージャー
本間真彦

慶応義塾大学商学部卒業後、ジャフコに入社。海外投資事業部にて、ヨーロッパ・イスラエルのITベンチャー企業への投資及び日本進出支援を行う。米国ネットサービスの日本法人立ち上げに参画。その後、アクセンチュアにてベンチャー投資及びアライアンス業務に従事。2003年よりワークス・キャピタルにて、日本・中国・韓国のIT関連ベンチャー企業への投資育成活動を行っている。

趣味:サーフィン、フットサル、お酒

投資先:MonotaROキューアンドエーベンチャーリパブリックスカイウェイブシクスオン新華ファイナンス(東証マザーズ)、オウケイウェイブ(名証セントレックス)

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