2000年の大統領選挙時にフロリダ州で、パンチ式投票用紙に関連した騒動が起こった。そこで、同州のある郡ではハイテク技術を使った解決策を講じたが、その解決策に対し、権利擁護団体や有権者が申し立てを起こした。
米国時間11月21日、フロリダ州裁判所に提出された訴状では、2006年の議会選挙中に同州サラソータ郡の選挙管理当局が行った、タッチスクリーン式投票機の選別、管理がずさんだったとし、投票のやり直しが求められている。People for the American Way、Voter Action、アメリカ自由人権協会(ACLU)のフロリダ州支部、電子フロンティア財団(EFF)の4つの権利擁護団体が、同郡の共和党支持の有権者と民主党支持の有権者の双方を代表して提訴に踏み切った。
提訴のきっかけとなったのは、同郡の選挙管理当局の投票結果に関する報告だった。それによると、同郡で実施された下院議員選挙で、1万8000票以上が最終集計結果に算入されなかったという。これは事実上、7票に1票が算入されなかったことを意味する。この結果について選挙監視員らは、不在者投票の集計や同じ選挙中に近隣郡で使用された他社の投票機の集計と比較して、この「不足票」の割合の高さは異常だと指摘した。
報道によると、同郡の選挙管理当局は20日、再集計の結果、共和党のVern Buchanan氏が369票差で民主党のChristine Jennings氏を下したと認定したという。
それを受け、Jennings氏も21日に、同郡の巡回裁判所に正式な申し立てを行った。同氏も権利擁護団体らと同様に、選挙のやり直しと選挙で使用されたタッチスクリーン式投票機の調査を求めた。同氏は、1万7000票以上が消失した原因は同投票機にあると主張している。
「(票の消失は)明らかに機械の誤りであり、投票用紙のデザインや投票者の誤りではない」とJennings氏の選挙運動を担当する弁護士Kendall Coffey氏は語った。
権利擁護団体らは訴状の中(PDFファイル)で、サラソータ郡Supervisor of ElectionsのKathy Dent氏は、2週間の期日前投票期間中に投票者や選挙運動員から複数の苦情が寄せられたにもかかわらず、電子投票機メーカーElection Systems & Services(ES&S)のiVotronicタッチスクリーン式投票機で発生したさまざまな故障に対する適切な調査、確認、報告を怠ったと批判している。また訴訟では、フロリダ州の州務長官が、ネブラスカ州オマハに拠点を置くES&Sの投票機を(正式な投票機として)認定する前に、同電子投票システムの信頼性に関する警告を軽視したと主張している。
ACLUフロリダ州支部のエグゼクティブディレクター、Howard Simon氏は、「今回の選挙を決定付けたのは、投票者ではなく、欠陥のある投票機のようだ」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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