レッドハット、「JBoss」の新戦略を明らかに

 Red Hatは、サーバソフトウェア「JBoss」での増収を図るため、本製品をサポートなしの無償版と、サポートありのサブスクプション版の2つのバージョンに分割することを計画している。

 現在、JBossには1つのバージョンしか存在しない。Red Hatは本製品を開発していた企業を2006年4月に買収してから、これに対するサポートを販売していた。しかし同社の最高財務責任者(CFO)であるCharlie Peters氏は、米国時間11月14日に開催されたUBS Financial Conferenceにおいて、「Linux」で利益を上げるために用いてきた、2つのバージョンを提供するという戦略をJBossにも適用することを検討中であると述べた。

 Red Hatは、OracleやNovellとの熾烈な競争に直面しており、JBossで収益を上げなければならないという切迫した状況にある。JBossは1100万回無償でダウンロードされているが、Peters氏によると現在JBossを「有償で利用するユーザーは非常に少ない」という。

 Peters氏は、「Linuxで実施したことから得た知識をミドルウェアの分野でも生かして同じような環境を作りたい。そしてユーザーに無償ダウンロードから有償サービスへと移行することに価値があることを理解してもらうことがわれわれの課題である」と述べた。

 Linux OSの多くのディストリビューションや、Javaプログラムをサーバで実行するための「ミドルウェア」であるJBossのようなオープンソースソフトウェアは、通常無償でダウンロードできる。そのため、オープンソースソフトウェアは企業に対する脅威であった。Linuxで利益を上げるためにRed Hatがとった戦略は、無償でバージョンの変更が早い「Fedora」と、サポート付きでより安定したバージョンの「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」の2つのバージョンを提供するというものであった。

 RHELの基盤となるソースコードは無償で入手可能だが、Red Hatに年間のサブスクリプション料金を支払っているユーザーだけがコンピュータで実行可能な「バイナリ」ファイルを入手することができる。サブスクプション版では、特定のハードウェアやソフトウェアでの動作も数年間保証される。

 JBossについて、Peters氏は「われわれが目指しているものの1つは、RHEL-Fedoraのような開発モデルを構築することである。現在、われわれはまだJBossに対しそのようなモデルを開発中である。JBossを無償で利用するユーザーの多くが有償登録ユーザーへと移行してくれると確信している」と述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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