Red Hatは米国時間9月8日、「Red Hat Enterprise Linux 5(RHEL 5)」の最初のテスト版をリリースした。これはRed Hatにとって仮想化技術「Xen」を組み込んだ初めての製品である。
Linuxベンダー最大手のRed Hatは、Xenを7月から出荷していたライバルのNovellに比べて慎重な姿勢を見せていた。Xenは1台のサーバで複数のOSを同時に動かすためのソフトウェアで、コンピューティングインフラの信頼性および柔軟性を高めることが期待されているが、これを利用するにはOSの基盤部分に変更を加える必要がある。
Red Hatはベータ版の発表にあたり、「Xenについてどんなフィードバックが寄せられるか強い関心がある」と述べた。
RHEL 5の正式版は2006年末までにリリースされる予定だが、同社ではこの計画が2007年初頭にずれ込む可能性があることを示唆している。広報担当のLeigh Day氏は、「初冬にリリースすることを目標にしている」と述べている。
また、以前に行われたインタビューで最高技術責任者(CTO)のBrian Stevens氏は、Red Hatが「Xen 3.0.3」の登場を待つことにしたことを明らかにしている。同氏はRHEL 5を2006年末までにリリースできるかどうかについて、「微妙である」と語っている。
Red Hatによると、このベータ版には「SystemTap」や「Frysk」などの新しい診断ツールも搭載されるという。SystemTapはSun Microsystemsの「DTrace」と同様、管理者が稼働中のシステムを調べ、ソフトウェアの不具合を細かく調査するためのツールだ。
RHEL 5には、「Stateless Linux」と呼ばれるRed Hatの技術をサポートするコンポーネントも搭載されている。もっとも、同機能は現在、「技術プレビュー」の段階にある。
Stateless Linuxは、サーバやPCの個々の設定を素早く変更して、さまざまなタスクを実行できるようにするための技術。設定やデータは、集中管理されたリポジトリに保管される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス